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日本のトップ登山家2人がK2で滑落、中島健郎さんは「イッテQ」でイモトアヤコの登頂サポート

日刊スポーツ 2024年7月28日 11時56分

日本の登山界に衝撃が走った。日本を代表する山岳クライマーの平出和也さん(45=長野県出身)と中島健郎さん(39=奈良県出身)が27日、パキスタンにある世界第2の高峰K2(8611メートル)で滑落した。登山用品販売の石井スポーツは28日までに、2人はいずれも同社所属の山岳カメラマンでクライマーの平出さんと中島さんだと明らかにした。安否は不明で現在、地上からの救出が試みられている。

平出さんは東海大在学中に本格的に登山を始め、2001年に初めて7000メートル以上の高峰を登頂。4度のエベレスト登頂を含む6度の8000メートル以上のアタックに成功した。登山界で最も名誉とされるピオレドール賞を日本人で最多の3度受賞。TBS系「情熱大陸」やNHK BSプレミアムの特番などで紹介されるなど、トップクライマーの1人として世界的にも高い評価を受けている。

中島さんもピオレドール賞を2度受賞した山岳カメラマンのクライマー。関西学院大在学中に未踏峰2座の登頂に成功した。卒業後は海外トレッキングや登山のツアーガイドを務めながら、日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」登山部シリーズでは、カメラマンとして参加。イモトアヤコのマッターホルンやマナスルなどの登頂をサポートした。2016年から平出さんとのコンビで毎夏のようにヒマラヤ山脈に乗り込み、難ルートからのアタックを成功させていた。

2人は今年5月7日、所属する石井スポーツのホームページでK2への挑戦を報告。「2018年に2人で下見に出かけてから早6年、足りない経験を積むために2019年ラカポシ(7788メートル)、2023年ティリチミール(7708メートル)に挑み、やっと準備が整いました」と、6~8月に未踏の西壁から登ることを明かした。そして「これまでに経験のない8000メートル峰での未踏ルートの挑戦は、標高や技術的にも困難であることは間違いないですが、これまでも多くの不可能な挑戦を可能にしてきました。今回も不可能ではないと考えています」と意気込みを示していた。

石井スポーツによると、2人はK2西壁で登山中に7000メートル地点から滑落した。現地で手配したヘリコプターが2人を確認したものの、標高や斜面の角度から着陸できず、地上からの救出を試みている。

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