藤井聡太竜王（名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖＝22）への挑戦権を争う第37期竜王戦挑戦者決定3番勝負第1局、広瀬章人九段（37）対佐々木勇気八段（29）戦が29日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時から始まった対局は、午後7時20分、先手の佐々木が89手で勝ち、挑戦権獲得まであと1勝とした。
佐々木は17年にデビュー以来29連勝中だった藤井に初黒星を付けた「藤井を止めた男」としても知られる。
戦型は佐々木の得意の角換わり。終盤、激しい攻め合いを佐々木が制した。
終局後、佐々木は「ずっと緊張感のある局面が続いていた。ギリギリだと思っていた」と振り返った。
得意戦法での快勝に「角換わり中で、指してみたい形の1つだったので、指せたことはよかった」と納得の表情を見せた。
初タイトル挑戦の大舞台まであと1勝に迫った。元祖・藤井を止めた男は「竜王戦ではいい将棋が指せているので、この状態のまま第2局を迎えることができればと思う」と意気込んだ。
2年ぶりの竜王挑戦権を狙う広瀬は「研究不足だった。将棋にならなかったので、つぎは将棋になるようにしたい」と巻き返しを誓った。