昨年4月からYouTubeで配信中の10分ドラマシリーズ「東京彼女」。7月号は「サイコ女子編」で、主要キャストを務めた新谷姫加（26）井上想良（25）十味（25）に話を聞いた。今回は新谷と井上演じる職場の先輩後輩である男女カップルが、昨今よく聞く“サイコパス”な女の子（十味）と出会い、ラストには衝撃的な結末を迎える。再生回数も好調だという暑い夏にぴったりなホラー作の見どころや裏話を、同学年トリオが熱く語ります。【聞き手・松尾幸之介】
「東京彼女」は都内在住の20代女性を主人公に毎月テーマを変えながら届けている若年層を中心に話題の人気シリーズ。今回も約10分のドラマを4本に分けて届ける。
新谷 私は等身大の普通の女の子役で逆に難しかったです。話が進むごとにそれぞれの関係性が変わって高低差もあるので感情も揺さぶられるんじゃないかなと思いますね。テンポが良くて見やすいですし、何度も見て細かな演出も感じてほしいなと思います。
井上 見ている人の背筋が凍っちゃうような映像や音楽、セリフになっていますし、自分は「こういうやついるよな」という役だったので、あんまり含んでいない芝居を心がけました。最終話にかけての盛り上がりやそれぞれの関係性の変化を楽しんで見てほしいなと思います。
十味 私は（新谷と共に）オーディションでいただけた役で、現場のみなさんのおかげですごく楽しんで演じることができました。サイコパスな役は初めてで、本読みの時も不安でいっぱいでしたが監督をはじめとするみなさんに助けていただいて。自分が演じていても「怖い」と思えるものができたと思います。普段の私とのギャップを楽しんでほしいですし、いろんな役に感情移入して見るのも面白いと思います。
－新谷さんと井上さんはラブシーンもあります。
新谷 キスシーンは初めてだったんです！物語の中では、幸せなシーンから関係性に陰りが見えたり、高低差がすごいんですよね。自分で見てもキスシーンは叫んでしまいました。
十味 私もさっき映像を見て叫んでしまいました。何か、もぐもぐしてる！って。同じ事務所ですけど、姫ちゃんの知らない顔が見られました。
新谷 私も自分で見て、きゃーってなっちゃいました。えちえちで、きれいな感じでしたね。十味ちゃんも『あれ、本当にしているの？』って聞いてきて、いや、がっつりしてるよ！って言ったり。キスシーンは2日間でまとめて撮ったんですよね。アイドル出身でファンの方も初めて見ると思うので、不安です（笑い）。でもこれから女優としてやっていきたい気持ちがあるので、修行だと思って見てほしいですね。井上さんが『俺に任せろ』という感じでリードしてくれました。
井上 語弊あるな～（笑い）。自分は初めてではないですけど、そんなことは言ってないですからね。
新谷 言ってはないですけど、雰囲気です。私は右も左もわからないので『任せるね』って言ったら『おう』みたいな。
井上 悪いな～（笑い）。帰りたくなってきた。でも、大体どのベッドシーンでも男がいっぱい動いていますよね？それは書いておいてください。『まかせろ』って一番嫌だ。やばいやつじゃん（笑い）。
新谷 あと、撮影での初のキスシーンの時、おなかがすきすぎて（現場にあった）豚キムチ弁当を食べちゃったんです。なので井上君に「キムチ臭すごいから、あなたも食べて」って言って。井上君はおなかいっぱいなのに食べてくれたんです。だから優しいなと思いました。
井上 夕方から撮影だったので、チキン南蛮食べてたんです。僕はあの時、撮影初日ですよ。
新谷 そんなにまだ親しくもないのに「豚キムチ食べて」ってね（笑い）。1話の最初のシーンなんですけど、よく見たら赤いのとかがついているかも。拡大しないでくださいね。
十味 要チェックです。
－“豚キムチキス”にも注目ですね。3人は撮影までそんなに親しいわけではなかったと。仲は深まりましたか？
新谷 緊張はないですね。同い年なので気も使わなくても大丈夫か～！という感じで。十味ちゃんとはアクションみたいなシーンもありましたが、めっちゃ怖くて（笑い）。たまに（ナイフの）硬いところが当たっちゃったりもしてましたし、本当に顔に刺さるんじゃないかと思うくらいで。
井上 そのシーンは僕も気絶している設定でそこにいるんですけど、面白かったですね。
十味 あと、現場にカニのおにぎりが置いてあって、実は姫ちゃんのだったんですけど気づかずに食べてしまいそうになったこともありましたね。
新谷 ヘアメーク終わったら食べようと思って持って行っていたやつで「このおにぎり食べていいですかー？」って言われていて。あれを食べられていたら関係が悪くなっていたかもしれないです（笑い）。井上君はよくお菓子とか買ってきてくれていました。「コンビニ行くけど何かいる？」とか言って、アイスとかグミとか買ってくれて。
井上 食べ物の話ばっかやん（笑い）。アクションシーンを撮っている時に自分は時間があったので、撮影期間も短いし、みんな疲れているだろうなと思って。まあ、ただの財布かもしれないですね（笑い）。
－サイコ女子編ということで、日常生活でサイコパスを感じた経験はありますか。
新谷 ストーカー系な話ならあるんですけどね…。 十味 私はネットストーカー得意です！
－どういうことですか？
十味 ファンの方も「十味ちゃんだけ」とかって言いながら、浮気するんですよ。その人のSNSの投稿とか見ていると「○○に行った」とか書いていたり。あとはマネジャーさんの昔のブログを見つけたりしてみんなに勝手に共有したりしてます（笑い）。
新谷 私もファンの方の裏アカウントとか見つけちゃいますね。意外とわかるんですよ。
十味 見てますよ。気を付けてください。
新谷 気を付けてください。
－井上さん、この件についてはいかがですか？
井上 いや、ノーコメントで。ここには触れないです。すみません（苦笑）。
◆新谷姫加（あらや・ひめか） 1998年（平10）5月30日、青森県出身。15年にアイドルでデビュー。17年「ミスiD2017」受賞。運動神経抜群で剣道や日本舞踊など経験あり。雑誌グラビアきっかけで「あざとさの天才」と称されたことも。163センチ。
◆十味（とーみ） 1999年（平11）2月8日、長野県出身。アイドルグループ、＃2i2（ニーニ）のメンバー。23年4月初主演映画「放課後アングラーライフ」公開。芸名由来は地元の東御市から。グラビアでも活躍中。149センチ。
◆井上想良（いのうえ・そら） 1998年（平10）8月12日、大分県出身。3歳からテニスに励み、高校時代に全国3位経験あり。20年俳優デビュー。21年ABEMA「恋とオオカミには騙されない」で話題に。178センチ。
◆「東京彼女」7月号－サイコ女子編－「ドールメイト」あらすじ 地方から上京し都内の広告代理店で働く新卒3年目の本田那奈（新谷姫加）。交際中の職場の先輩、佐野徹（井上想良）とけんか別れし、同居も解消。寂しさ紛らわしにやけ酒をしていた公園で、見知らぬ女の子、ユリカ（十味）に声をかけられ意気投合する。孤独と恐怖に耐えられなかった那奈はユリカを誘い一緒に住むことに。最初はその存在に救われていたが、実は彼女は他人に依存して家を転々としている少女だった。ユリカの秘めた狂気は徐々に那奈の人生を追い詰めていき…。
○…プロデューサー（P）を務めたメディアミックス・ジャパンの三浦菜月美氏（25）は「新谷さんは女の子っぽい女の子で緩急をつけた演技もできて役に合うと思いました。十味さんもオーディションの時からハマっていて、井上さんも飾らない演技が合っていました」と語った。自身もPデビュー作で「20代のリアルな姿を意識したり、次が見たくなる構成を心がけました」。先輩の宮岡太郎監督や川崎一輝Pには「好きにやっていい」と見守られ「そう言いつつ何かあった時に助けてくれる心の広さを見習っていきたいです」と感謝。今回は主要3人以外にも八条院蔵人（25）鬼倉龍大（29）ら注目の若手役者も出演しており「違う雰囲気の大人色気系な方もほしかったですし、広告代理店社員だったので体育会っぽさもぴったりでした」と振り返った。