寄席のプリンセスとして人気の女性落語家、蝶花楼桃花(43)が31日、都内で、独演会「桃花 三十一夜」(東京・池袋演芸場)千秋楽前会見に登壇した。
7月1日から31日まで連続でネタおろしする独演会。ネタおろしとは、その落語家が覚えた演目を初めて高座で披露すること。31日間毎日が初演という、落語界でも前代未聞の挑戦だった。
4月に制作会見を行っており「怖くてブルブル震えていました。失敗もやらかすだろうし風邪もひけないしどうしようと思ってましたけど、今日ここまで来られました」と笑顔。「31日間あっという間で、意外と元気。お客さま、周りの皆さまのおかげで楽しく頑張らせていただきました」。
パリ五輪まっただ中だが「ネタ下ろしでいっぱいいっぱいで、きちんと見られていないんです」。それでもSNSなどで結果をチェックし「(パリ五輪の柔道女子日本代表)阿部詩さんが負けたときにうわーっと泣かれたじゃないですか。よっぽどの努力とプレッシャーからきた涙なんだと思って、すごく感動しました」と回想した。
「『私、こんなに泣けるほど三十一夜で努力できてるかな』って勝手に自分に置き換えさせてもらって。ここまで頑張んなきゃなって思いました」と、刺激を受けたことを明かした。
ここ1カ月はストレスをためないよう、睡眠時間の確保と「とにかく好きなものを食べる」ことを徹底したという。「深夜帯(午後9時開演)の独演会だったので、終わったら夜11時くらい。そこから家系のラーメンを食べたり…」。体重は特に増えなかったといい「お菓子もバクバク食べたのに、脳みそ使ってるからですかね?」と笑顔で話した。
BAYFM「シンラジオ」番組内企画で関根勤(70)に落語を指導しており「関根さんが(独演会を)見に来てくれました。(8月で)71歳になる弟子ができましたよ。弟子の方がギャラ高いです」とにやり。客層にも変化があったといい「私の会って中年のおじさまが9割だったりする時もあるんですけど、今回は女性の方も結構いらしてくださったり、男女のカップルも。それもうれしかったですね」と笑顔を見せた。
桃花は22年3月に真打ち昇進。約半年の準備期間をへて今回の独演会に挑んだ。「31日間ネタ下ろしをやったという自信を、お客さまに持たせてもらったと思います。最短どのくらいで(演目を)覚えられるのかも分かりましたし、すごく大きな収穫でした」と充実した表情を浮かべた。