ノンフィクション「聖の青春」などで知られる作家の大崎善生(おおさき・よしお)さんが3日、東京都武蔵野市の自宅で死去した。66歳だった。札幌市出身。警視庁が確認した。
大学卒業後、雑誌「将棋マガジン」の編集者として日本将棋連盟に勤務。「将棋世界」編集長だった2000年、98年に29歳で早世した天才棋士、村山聖さんの生涯を描いた「聖の青春」で作家デビュー。作中には自らが登場し、村山さんとの出会いから亡くなるまでを描いたノンフィクション小説。同作は新潮学芸賞を受賞し、漫画化された。16年には映画化され、村山さん役として松山ケンイチが主演を務め話題となった。
「プロ棋士」養成機関の奨励会を退会した元将棋指しに光を当てた「将棋の子」で講談社ノンフィクション賞、青春恋愛小説「パイロットフィッシュ」で吉川英治文学新人賞。他の著書に「アジアンタムブルー」「ロストデイズ」など。
03年には女流棋士の高橋和(やまと、48)さんと結婚。
2年前に咽頭がんを患い、闘病中だったという。