Infoseek 楽天

伊藤英明、独立後初の作品は妻・新木優子をアンドロイドにする天才科学者 Amazon世界配信

日刊スポーツ 2024年8月7日 5時0分

伊藤英明(49)と新木優子(30)が、石川慶監督(47)がプライムビデオとタッグを組んだ最新作となる、Amazonオリジナル映画「不都合な記憶」で夫婦を演じることが6日、分かった。伊藤にとって、7月1日に前所属事務所から独立して以来、初の作品で、9月27日から全世界独占配信となる。

「不都合な記憶」は、22年度の日本アカデミー賞で作品、監督など最多8部門で最優秀賞を受賞した「ある男」の石川監督が自ら脚本も手がけ、挑戦した初のSF作品。科学技術が発展し、人類の宇宙移住が進んだ西暦2200年が舞台で、伊藤は自分を愛してくれていた頃を求め、陶芸家である妻を何度もアンドロイドにして自らの理想を追求、再現しようとする、天才科学者を演じた。

伊藤が演じるナオキと、新木が演じるマユミは、宇宙に浮かぶ高級レジデンスで平穏に暮らす一見、誰もが憧れる完璧な夫婦だ。ナオキは研究、マユミは趣味の陶芸に没頭し、洗練されたダイニングで優雅な音楽と料理や食事を楽しむ、平穏で理想的な夫婦だ。しかし、その実態は、自分を愛してくれていた頃の妻を求め、何度も妻をアンドロイドにして自身の理想を追求、再現しようとする夫・ナオキのゆがんだ愛情と、妻からの復讐(ふくしゅう)…。近い未来、身近に起こりえる“愛の形”を描くサイコパスサスペンス・ロマンス作品だ。

伊藤は「台本を読んだ時からこれまでの未来を舞台にした作品とは作風が違うと感じていました。『宇宙の設定はどうやって描かれるんだろう? AIやテクノロジーをどのように表現するのだろう?』と、経験したことのない設定に想像をかき立てられていました」と、石川監督の脚本との出会いを振り返った。

さらに、全編の撮影をタイで、それも2カ月間かけて行ったことも、伊藤にとって「日本とは違う国で全編撮影するというのはキャリアの中で初めてことだった」という。「役に対する集中だけでなく文化の違いにどうしても反応してしまう自分自身との闘いもあり、覚悟と責任感が必要でした」と撮影を振り返った。

その上で「『映画は監督によって作られるものなんだ』と、強く意識した作品でもありました」と、映画作りに対し、考えを新たにしたと強調。「石川監督の頭の中にある世界をどう表現すべきか悩み、楽しみ、結果として、さらに役者という仕事が好きになりました。もどかしくて、つらくて、楽しくて、幸せで、感情を揺さぶられる要素がちりばめられた最高の作品です」と俳優人生にとって特別な作品だと強調した。

また新木にとっても、かけがえのない作品となった。「このプロジェクトは、規模が大きいだけでなく、石川監督の見ているもの、作ろうとしているものがすごく大きく感じたので、緊張感もあったんですけど、お声をかけていただき、ご一緒できて本当にうれしかったです」とオファーを受けた当時の思いを振り返った。そして「ここまで宇宙空間とリアルな空間が一体化して、境目が違和感なく描かれた作品はなかなかないと思います。この作品は日本だけじゃなく世界の方々にも楽しんでいただける作品になっていると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」と全世界配信に期待を寄せた。

伊藤と新木がうなった製作陣には、国際色豊かなクリエーター陣がそろった。石川監督との共同脚本に、SF脚本家のブラッド・ライト氏を迎えた。さらに撮影監督には、同監督の長編デビュー作となった17年「愚行録」、19年「蜜蜂と遠雷」、21年「Arc アーク」と「ある男」を除く長編3作品の撮影を担当した、ポーランド出身のピオトル・ニエミイスキ氏が復帰。4作目となるタッグを組んだ。加えて、カナダのVFXチームが最新のCG技術で近未来の舞台を担当するなど、美しくリアリティーあふれる新たな近未来を作り上げた。

石川監督は「SF作品はある程度、古典的な未来像が固まっている一大ジャンルだと思いますが、せっかく新しい未来を描くのに先人たちを模倣するのは意味がないと思いました」と、製作にあたっての思いを語った。その上で「人間関係が断ち切られた宇宙空間だからこそ突き詰めたシンプルな夫婦の話を描くことができ、エンタメ要素もありつつ、タイのエキゾチックな要素もあり、日本人としても感情移入できる物語になっているので、SFというジャンルにとらわれずに先入観なくお楽しみいただければと思います」と具体的な政策の狙いを説明した。

Amazon MGMスタジオ・インターナショナル・オリジナル責任者のジェームズ・ファレル氏は「宇宙への移住がそう遠くはない近未来が、石川慶監督の手によりドラマチックに描かれます。伊藤英明さん、新木優子さんという日本のトップレベルの俳優の方に主演を務めていただき、タイやカナダを中心に、国際色豊かな制作チームで手がけられました」と、石川監督と伊藤、新木に絶大な信頼を寄せた。そして「サスペンスフルなストーリーと新しいSF映像体験をお客さまへお届けできることをうれしく思います」と全世界独占配信に向けて、期待を寄せた。

この記事の関連ニュース