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【コラム】「快進撃」支える好走塁、放送席から絶叫/岡拓哉

日刊スポーツ 2024年8月8日 7時0分

新潟代表の新潟産大附が甲子園で9日、初戦を迎える。この夏の新潟大会での勝ち上がり方は驚異的だった。ノーシードながら、新潟明訓、中越、日本文理を次々と破り、決勝戦(7月26日)では第1シード・帝京長岡に競り勝った。

「強豪撃破の快進撃!!」

新潟大会優勝決定の瞬間、このミラクルな勝ち上がりを実況アナウンサーとしてそう表現した。

快進撃はなぜ生まれたのか。6試合で3エラーの堅守や下位打線でも得点できる攻撃力、思い切った継投策……。中でも光ったのは、勝負どころでの積極的な走塁だった。

決勝戦での新潟産大附5回の攻撃、3点をリードして2塁には俊足のキャプテン平野。帝京長岡の外野陣は、もう1点も許さないという前進守備。ここで5番・川口の鋭い当たりがレフト前に抜けるが、打球のスピードと外野の前進守備を考慮すると、2塁ランナーがホームにかえるのは難しい。3塁コーチャーもランナーを止める姿勢に入った。しかし平野は、トップスピードで3塁ベースを蹴っていた。

「回った回った回った! 還ってきたーー!!」

驚きを隠せず、思わず絶叫してしまった。初の甲子園出場を大きく手繰りよせたキャプテンの好走塁。1点への執着と勝利への執念。貫いてきた自分たちの野球へのゆるぎない確信に、ノーシードから勝ち上がってきたチームの真価を見た。

甲子園での初戦の相手は、5年ぶり8回目の出場となる埼玉代表の花咲徳栄。2017年夏には、全国制覇を成し遂げた強豪だ。

新潟産大附の吉野公浩監督は、今年のチームを「一度波に乗ったら面白い」と表現していた。

「強豪撃破の快進撃!!」

聖地でも、その波はおさまらない予感がする。(新潟テレビ21アナウンサー)

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