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北野武監督、黒沢清監督も出品のベネチア国際映画祭 今年の注目作品を紹介

日刊スポーツ 2024年8月20日 10時32分

カンヌ、ベルリンと並んで三大映画祭の一つとして知られるベネチア国際映画祭が、8月28日に開幕します。9月7日までの日程で行われる第81回ベネチア国際映画祭は、コロナ禍や昨年行われたハリウッドの俳優組合のストライキを経て今年は豪華スターたちが出演する話題作が多数ラインアップしています。今年のコンペティション部門は21作品で、日本からはアウト・オブ・コンペティション部門に北野武監督の最新作「Broken Rage」と黒沢清監督「Cloud クラウド」が出品されています。今年のベネチアの注目作品を紹介します。

「ビートルジュース ビートルジュース」

オープニングを飾るのは、アウト・オブ・コンペティション部門に出品されたティム・バートン監督の最新作「ビートルジュース ビートルジュース」。1998年に公開されたホラーコメディー「ビートルジュース」の続編で、前作から35年後の世界が舞台となっています。人間界に現れて人間を怖がらせる推定600歳の“追い出し屋”ビートルジュースが主人公で、主演のマイケル・キートンはじめ、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラらが続投。また、ネットフリックスシリーズ「ウェンズデー」のウェンズデー・アダムス役ジェナ・オルテガやモニカ・ベルッチらが新キャストとして新たに加わっています。日本公開は、9月27日予定。

「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」

コンペティション部門の最高賞とされる金獅子賞の最有力候補の一つとされるのは、ホアキン・フェニックスとレディー・ガガがタッグを組むトッド・フィリップス監督の最新作「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」。2019年にフェニックス主演で社会現象を巻き起こし、金獅子賞を受賞した「ジョーカー」の待望の続編です。「フォリ・ア・ドゥ」は、フランス語で「二人狂い」を意味し、ガガはジョーカーに恋こがれるハーレイ・クインを演じることでも話題です。前作での怪演が大きな話題となり、アカデミー賞主演男優賞を受賞したフェニックスと2021年公開の「ハウス・オブ・グッチ」以来3年ぶりの映画出演作となるガガのコンビが織りなす続編は、10月11日に日本公開予定です。

「Babygirl(ベイビーガール)」

ニコール・キッドマン主演でアントニオ・バンデラスと夫婦役を演じるのは、ハリナ・ライン監督がメガホンを取るエロティックスリラー「ベイビーガール」。2023年のアカデミー賞を席巻した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を手がけるなどオスカー受賞作品を次々と世に送り出している新進気鋭の映画スタジオA24による注目作です。キッドマンはハリス・ディキンソン演じる若きインターンと不倫関係に陥る企業経営者を演じています。アメリカではクリスマス公開予定です。

「Maria(マリア)」

アンジェリーナ・ジョリーが伝説のオペラ歌手マリア・カラスを演じる「マリア」は、ダイアナ元妃の伝記映画「スペンサー ダイアナの決意」(21年)で知られるチリ出身のパブロ・ラライン監督がメガホンを取る伝記映画。ジョリーが「20世紀最高のソプラノ歌手」と評されたカラスを演じる本作は、今年後半公開予定です。

「Queer(クィア)」

「君の名前で僕を呼んで」(18年)で知られるルカ・グァダニーノ監督が同名小説を映画化した「クィア」は、ダニエル・クレイグが主演で、メキシコを舞台に薬物断ちを試みる同性愛者の主人公が年下の青年に溺れていく様を描いています。

「ウルフズ」

アウト・オブ・コンペティション部門に選出された「ウルフズ」は、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットがダブル主演の話題作。日本での劇場公開が中止となってしまいましたが、9月27日からApple TV+で配信予定です。映画「スパイダーマン」シリーズで知られるジョン・ワッツ監督がメガホンを取り、偶然同じ仕事現場で鉢合わせする羽目になった裏社会で暗躍するフィクサーを「オーシャンズ」シリーズのゴールデンコンビ、クルーニーとピットが演じています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)

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