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【王位戦】藤井聡太王位5連覇での「永世王位」に王手 カギは「1日7~8時間」の睡眠と運動

日刊スポーツ 2024年8月20日 20時34分

藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)に渡辺明九段(40)が挑む将棋の伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負第4局が19、20の両日、佐賀県唐津市「洋々閣」で行われ、後手の藤井が渡辺を下し、シリーズ対戦成績を3勝1敗とした。藤井はあと1勝で、王位5連覇と「永世王位」の資格(連続5期または通算10期)を獲得する。7月の「永世棋聖」に続き、“ダブル永世”獲得の偉業となる。第5局は27日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑」で行われる。

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相手がひるんだら、踏み込む。54手目、7筋の歩を突き出してから終盤までの四十数手、藤井が選んだのはほとんどが強気な攻めの一手だった。「攻め込んでいったが、攻めがつながるか際どかった」。不安はあったが、正確に読み切り、一直線に攻め続けた。最後は、「作戦家」の異名を持つ渡辺の渾身(こんしん)のカウンター攻撃を封じ込め、鮮やかに寄せきった。

終局後、玉の囲いが薄かった藤井は「お互いの玉形がかなり異なる形だったので、距離感をつかむのが終始難しい将棋だった」と振り返った。

先月22歳の誕生日を迎えたばかりの若き第一人者は、7月の「永世棋聖」に続き、2つ目の「永世称号」獲得に王手をかけた。偉業達成まであと1勝だ。

王位戦第3局から盆休みをはさみ、約3週間ぶりの対局だった。7月から始まった王位戦は北は北海道から南は佐賀と全国を転戦し、1局を2日かけて戦う持ち時間各8時間の「真夏の7番勝負」。猛暑の中、体調面の維持もカギになる。

最も大事にしているのが睡眠だ。「1日7~8時間の睡眠をとるようにしている」。2日制のタイトル戦でも同じだ。翌日の対局を考え続けることはなく、ぐっすりと就寝する。

3連覇した王将戦の記念品のフィットネスバイクで体調管理に取り組む。「汗をかくと運動した気分になる。今のところいいペースで続けられている」。次のステップもある。「もう少し自信がついたら」とスポーツクラブ入会も検討している。

第5局は中6日で臨む。「すぐにあるので、しっかり状態を整えていきたい」。睡眠と軽めのエクササイズ。体調管理は“鉄壁”だ。「真夏の7番勝負」をイッキに制する。【松浦隆司】

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