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広瀬すずが日英合作映画主演、ノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏長編デビュー作 来夏公開予定

日刊スポーツ 2024年8月23日 7時0分

広瀬すず(26)が、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロ氏(69)の1982年の長編デビュー作を映画化する日英合作映画「遠い山なみの光」に主演することが22日、分かった。

同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国が舞台で、広瀬は長崎で原爆を経験し英国に渡った女性を演じる。22年度の日本アカデミー賞で最多8部門で最優秀賞を受賞した「ある男」の石川慶監督(47)が脚本も手がける。自らエグゼクティブ・プロデューサーを務めるイシグロ氏は「国際的な舞台において今最もエキサイティングな若手俳優の1人」と、広瀬に絶大な信頼を寄せる。現在、撮影中で25年夏に公開予定。

長崎への原爆投下と終戦から79年。歴史の一端を長崎出身者として描いた、イシグロ氏の作品を実写化する国際プロジェクトの真ん中に広瀬が立つ。劇中では長崎で原爆を経験した悦子を演じた。「不安感を抱きながら演じる、そんな日々でした。難しくて、悩みながらでしたが、不穏な緊張感を感じるたび悦子に近づいているのを確信し、心強い座組のなか、お芝居できたことがとても宝物のような時間でした」と語った。広瀬の撮影は終えており、石川監督は「紛れもなく戦後長崎に生きた悦子そのものだったし(本当に素晴らしかった!)」と絶賛した。

今回の企画は20年に始動し、21年にプロット(あらすじが)が完成。22年6月にイシグロ氏に送付し、快諾されると同10月から同氏を交えた話し合いが行われた。イシグロ氏は「『ある男』の大ファンで、彼が映画化を希望してくださった最初の日から、とても興奮していました。夢中になって読んだ今回の素晴らしい脚本は、ミステリアスで感動的」と石川監督を絶賛した。撮影はロンドンで続いており、戦後、英国に渡った80年代の悦子役の俳優は今後、発表される。

◆遠い山なみの光 英ロンドンで暮らすニキは日本人の母と英国人の父を持つ。大学を中退し作家を目指す中、自著執筆のため異父姉の死以来、足が遠のいていた郊外の実家を訪れる。そこでは、夫と長女を亡くした母の悦子(広瀬すず)が1人で暮らしていた。母は長崎で原爆を経験し戦後、英国に渡ったが、ニキはその過去を何一つ聞いたことがない。数日間を共にする中で、悦子は最近よく見るという「夢」について語り始める。それは悦子が長崎で暮らしていた頃に知り合った、とある女性と幼い娘の夢だった。

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