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NHKラジオで不適切発言の中国籍スタッフ「代理人を通じ対応する」動機判明せず 02年から業務

日刊スポーツ 2024年8月22日 21時26分

NHKは22日、19日のラジオ国際放送で40代男性の中国籍外部スタッフが不適切発言を起こった件について、同スタッフとの契約を解除したことを発表した。業務委託契約を結んでいたスタッフだったといい、19日にNHKの関連団体を通じて本人に厳重に抗議の上、21日付で契約を解除。今後、損害賠償請求も行い、刑事告訴の検討も含め「厳正に対処していく」という。

NHKによれば、同スタッフはNHKの関連団体と業務委託契約を結び、2002年からNHKの業務を行っていた。主な業務として、ニュース原稿の中国語への翻訳、その原稿をラジオニュースで中国語で読み上げていた。同スタッフは「代理人を通じて対応する」などと話しており、動機や意図については十分判明していないという。同スタッフが関連団体と結んでいる契約書には、NHK国際番組基準や放送ガイドラインを順守することなどが明記されている。

NHKはさらに、同スタッフによる発言の経緯についても説明した。NHKの短波ラジオと衛星ラジオの国際放送、ラジオ第2放送で、19日の午後1時1分から同15分まで伝えた中国語のニュース番組の中で、同スタッフが問題の発言を行った。「靖国神社で落書きが見つかり、警視庁が器物損壊事件として捜査している」というニュースを伝えた後、中国語で「釣魚島と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と、沖縄県の尖閣諸島について中国の領土であると述べるなど、原稿にはない発言を行った。さらに英語でも「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と問題発言を繰り返した。

発覚後の対応としては、19日の短波・衛星ラジオ放送(午後8時半~)と翌20日のラジオ第2放送(午後1時1分~)の中国語ニュースで、おことわりとお詫びを行った。また、NHKの中国語ニュースサイトに、おことわりとお詫びを掲載。また、19日のニュースウオッチ9(午後9時~)、ラジオ国際放送などで伝えたほか、同日のラジオ第1放送(午後10時~)でも伝えた。

NHKは再発防止策として、ラジオ国際放送の中国語ニュースについて20日から事前収録で放送、ほかの言語についても今月中に事前収録に切り替えるとした。また、必要に応じて、AI音声の導入も検討するという。NHKは「今後、副会長をトップとする検討体制を作り、短期的な対応だけでなく、管理体制の強化等、中期的な再発防止策を策定し、国際放送に関するガバナンスの強化を行い、信頼回復に努めます」とした。

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