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長澤まさみ「スオミの話をしよう」で演じた“5つの顔を持つ女”は「難しかった」

日刊スポーツ 2024年8月29日 16時5分

長澤まさみ(37)が29日、都内で行われた主演映画「スオミの話をしよう」(9月13日公開)完成報告会に登壇。新旧5人の夫それぞれから違うイメージを持たれる女性を演じ「難しいところもありましたが、和気あいあいと演じることができました」と撮影を振り返った。

「スオミの話をしよう」は、三谷幸喜監督(63)5年ぶりの新作で、長澤は主人公のスオミを演じた。坂東彌十郎(68)演じる“5人目の男”である現在の夫で自分勝手な詩人・寒川しずおの屋敷から失踪することから物語が始まる。

スオミの失踪を知り、遠藤憲一(63)演じるM気質の使用人魚山大吉、松坂桃李(35)演じる見えっ張りのユーチューバー十勝左衛門、小林隆(65)演じるお人よしな刑事・宇賀神守、西島秀俊(53)演じる神経質すぎる警察官・草野圭吾と、元夫4人が寒川の豪邸に集結し、スオミはどこへ消えたのかと右往左往する。5人が語るスオミが、それぞれイメージが全然、違いというのが、物語のポイントであり根幹だ。長澤は「5人の夫がいる…よくスミオと間違えられるんですけどス・オ・ミです。スオミという役を通していろいろな役を演じた」と役を評した。

三谷監督は、22年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で語りを務めた長澤を、14年の舞台「紫式部ダイアリー」で起用している。「最初は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でナレーションをやっていただき、何回か会った。10年前舞台をやって、力のある女優。スキルを上げていて、この人のために今、最も輝く映画を作りたい」と今作製作への思いを、改めて語った。

長澤は「恐れ多いです。もっと、もっと仕事したいなと物足りなさを感じていて、映画に出られてすごくうれしい」と笑みを浮かべた。一方で今回、演じたスオミについて「本当に難しくて…1人の女性が違う顔を持ち多面性を持つ。どういうふうにキャラクター作りしていけばいいか…監督にヒントをもらいながら演じていたわけですけど」と難しさもあったと吐露した。それでも「ものすごく独特な魅力を持った方と向き合っているだけで違う自分が出せたと気付けた。それがスオミの本質だし、相手によって自分が出ると感じた次第」と新旧夫を演じた5人ら共演陣との芝居から、生まれ、作り出せた芝居だと強調した。

撮影前には1カ月近く、稽古したといい、舞台のような独特の製作体制が取られた。長澤は「撮影する前に稽古があった時『違うんだよね』と言われた」と、三谷監督から厳しいダメ出し? があったと明かした。同監督が「そんな言い方じゃない」と笑いながら否定すると「何が違うんだろう? と思って役作りしていました」と笑った。

三谷監督は「難しかったと思う。5役ではなく、そのうちの、たった1人の女性で多面的に演じる」と長澤が演じたスオミが、5役ではなく、あくまで1役であり、演じ分ける難しさがあると強調した。一方で、長澤演じるスオミの行く先々に現れる神出鬼没な女・薊(あざみ)を演じる、舞台などで常連の宮澤エマ(35)について「宮澤さんは5役…コスプレだと思って楽しくやって、と」と評した。これには宮澤も「やめてください。(見た目だけで出た瞬間、笑いを取る)出オチみたいに言うのは」と言い、苦笑した。

報告会には、西島演じる草野の有能な部下・小磯杜夫(こいそ・もりお)を演じた瀬戸康史(36)寒川の世話係・乙骨直虎(おっこつ・なおとら)を演じた戸塚純貴(32)も登壇した。

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