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【王座戦】永瀬拓矢九段、首を90度右に曲げ天井を見上げる…「プランが弱かった」黒星発進

日刊スポーツ 2024年9月4日 21時22分

藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)が永瀬拓矢九段(31)の挑戦を受ける、将棋の第72期王座戦5番勝負第1局が4日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われ、後手の藤井が先勝した。昨年の王座戦5番勝負では、永瀬は挑戦者の藤井に勝てば、5連覇で名誉王座資格獲得だったが失冠。タイトル奪還を目指すリターンマッチは黒星発進となった。第2局は18日、名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われる。

振り駒で先手となった永瀬が序盤で角を取り合う角換わりの戦型を選択。藤井は研究手を繰り出し、永瀬は準備した作戦が出せなかった。藤井の7筋からの猛攻を仕掛けられた。

最終盤、藤井の102手目の角打ちの強手に、永瀬は予想外だったのか、天を仰ぎ、右手を額に当て、考え込んだ。先に持ち時間5時間を使い切り、1分将棋に突入。首を右に90度曲げ、天井を見上げるシーンも。勝負手を連発したが、届かなかった。

終局後、永瀬は序盤について「プランが弱かった気がします」と藤井の作戦に対応できなかったことを悔やんだ。

中終盤について「判断はかなり難しいかなと思った。よさを自覚することはなかった」と苦しい展開だったと明かした。

昨年の王座戦5番勝負第4局では、永瀬に勝ち筋がありながら大失着。ミスに気づいた永瀬が天を仰ぎ、両手で頭をかきむしった姿は記憶に新しい。「頭をかきむしる」永瀬の姿が共感を呼び、SNS上でも大きな話題になった。

両者の対局成績は藤井の16勝7敗。タイトル戦では2度顔を合わせて藤井がいずれも勝っている。

軍曹の異名を持つ永瀬は「時間が空くので、精いっぱい、準備をしたい」と気持ちを切り替えた。

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