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78歳堀田眞三、錦織一清演出に「ニッキさんは魅力あるなぁ」飯田譲治監督ドラマが転機/連載6

日刊スポーツ 2024年9月10日 5時0分

俳優堀田眞三(78)が11日から15日まで、東京・渋谷伝承ホールで演劇集団UTARI第4回公演「時は今 天が下しる 桔梗かな」(主催:K‘sLink宮島啓)に出演する。本能寺の変を新たな解釈で描く作品で、羽柴秀吉を演じる。出演は、他に若山騎一郎、加納明、田中正彦、賀集利樹、島本和人など。芸歴61年目、映画、テレビ、舞台合わせて2000作品に出演してきた堀田に聞いてみた。

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先月に舞台「獅子」、そして今月11日から「時は今 天が下しる 桔梗かな」と戦力的な活動を続けている。昨年11月には錦織一清(59)が演出する「蒲田行進曲完結編・銀ちゃんが逝く」に出演、今年7月の再演にも出演した。

「錦織一清さん、ニッキさんが演出で、出演もした。彼は魅力あるなぁ。今でも、ニッキさん目当てに5000人くらいファンが来る、ビックリした。ニッキさんの演技力、つかこうへいのあれだけ難しいせりふをとうとうと話す。先月やった新橋演舞場の『カルメン故郷に帰る』の演出もすごいし、包み込むようなものすごい魅力を持っている。去年11月に出してもらって、7月にもやったけど、彼のファンの人たちがワクワクしていた」

デビューして61年目。長いキャリアの中で、痛感するのはあいさつの大切さ。

「世の中でも、この芸能界でも、全てはあいさつから始まる。あいさつは全て原点なんだ。日々生活してるんですけど、あいさつは相手が年上とか目上とか関係なく、目があったらこっちからしていくもんだ。待つもんじゃない。仕事じゃなくても、あいさつをきちっとできるでしょ。それで抜てきされてスターになった人は今までいくらでもいるんだ」

2012年(平24)にWOWOW、フジテレビで放送された、日本・中国・韓国の3カ国共同制作ドラマシリーズ「ストレンジャーズ6」では、地質学者の峰武芳郎を演じた。総監督を「NIGHT HEAD」などで知られる飯田譲治監督(65)が務めた。

「日・中・間の歴史的な合作テレビドラマでね。原作・脚本・演出が飯田譲治監督。15本作ったサスペンスアクションドラマ。キーマンが、僕が演じた地質学者。その役に対して、有名なスターさんが売り込みに来たそうですなんです。それでも決まらなくて、ある方が僕の名前を出してくれてた」

出演決定の前に飯田監督の面談に臨んだ。

「セリフが全部英語だから、英語のセリフをクリアできるか。作品のストーリーのキーマンになってるやつだから。まず台本を1冊渡されて、なんとかOK。じゃ東宝撮影所で会いましょうってことになって『今日は俺、チャレンジだ』と思って入ったら、飯田監督が立ち上がって『堀田さん、よろしくお願いします』って、その瞬間に俺来ました。日・中・韓、それにフジテレビも結構、お金をだして作りました」

日・中・韓の地震がテーマ。予測される大きな地震を防ぐために、堀田が演じた地質学の権威・峰武博士が開発した特殊装置を都市地下深くに設置する設定。

「僕自身は大変評価してもらったみたいです。それ以降、ありがたいことに韓国から、どんどんいろんなオファーをもらいました。ある意味で転機になったのは飯田譲治監督です。ありがたい。若い時には東映の佐藤純弥監督に『天皇の世紀』というドラマに起用してもらって転機になりました。純也監督が亡くなってお葬式に行った時に、息子さんで日本テレビにいた佐藤東弥監督と初めて会いました。純弥監督が、僕のことを話をしていただいて、すごくうれしかったです。出会いというか、縁ですね」

ネット配信の時代。映画を制作しても、公開されるのは10本に1本くらいの割合。配信のシステムにくみ込むことで、大コケの心配はなくなった。

「NHKに今、約5、6万人の芸能人なるものが登録されているそうです。その中で今現在、飯が食えているのが250人から300人くらいだそうです。ということは、約200人に1人、0・5%だけ。だから、俺は俳優だとか歌手とかモデルだとか、99・5%は自称芸能人、芸能人もどき。それくらいこの商売、稼業の難しさっていうものがある。今売れてるからって何年続くか、その世界で飯を食えていくということが一番だから」

78歳にもなって、現役の俳優として演じ、生活できることに幸せを感じている。

「あとからご褒美をいただいてもしょうがない。これは実に大事なことで、自分自身を“生産”して、次につながって向かっていこうという。この気、声も含めて全ては運だと思う。運が大事、運というか流れというかね。それはやっぱりねご指名をいただけるて、演じる場をいただけることだと思う」

「品性」は直せるが「品格」は直せない。

「僕は、ずっと生意気なんですが思っているんです。品性、性格の悪いのは年を取っても直すことができると思う。でも、元々の品格の悪いのは直せない。だから品格の悪い人間とは付き合っちゃいけない。品格というのは、生き様がそのまま出てしまうから」

78歳になっても、精力的に活動を続けている。

「何より、ボケ防止になる(笑い)。それには健康が一番大事ですね。来年の予定も、台湾から面白いオファーをいただいている。『時は今-』のつぎの計画もある。やっぱりとにかく日々健康で、ひたすら自重して、こうやってうまい酒を飲みたい(笑い)。いくら立派な人でも、せりふが覚えられなくなったダメ。それには、ずっと現場にいることが大切」

俳優生活61年目は、力強く歩みを刻んでいる。(終わり)

◆堀田眞三(ほった・しんぞう)1945年(昭20)10月20日、熊本県御所浦町(現天草市)生まれ。63年第11期東映ニューフェイス。64年映画「くノ一化粧」で俳優デビュー。70~72年TBS「キイハンター」。73年映画「やくざと抗争 実録安藤組」。79~80年TBS系「仮面ライダー」。10年(平22)NHK大河「龍馬伝」。176センチ。血液型O。

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