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石破茂氏「すぐに衆院解散、私は言わない」流動化する世界情勢を理由に早期解散論にくぎ刺す

日刊スポーツ 2024年9月14日 18時31分

自民党総裁選(27日投開票)に出馬した石破茂元幹事長(67)は14日、東京都内の日本記者クラブで行われた候補者討論会で、自身が総裁に選ばれたら早期の衆院解散に踏み切る構えを示している小泉進次郎元環境相(43)の持論と、一線を画した。

進次郎氏は「(早期解散なら)国民に判断材料がない、というのはまったく当たらない」と主張。「史上最長の総裁選ですよ。選ばれたときに、それまでの主張とがらっと変えて選挙を打つ人がいますか? 我々は全員、総理大臣になって何をするかを語っている。総裁になったら、で語っている方はいない」とした上で、立憲民主党の野田佳彦元首相の主張を念頭に「野党には、早期解散を『何、逃げてんだ』というような人もいますけど、政権交代したいなら早く解散を求めるのは当たり前じゃないですか」と訴えた。「9人の(候補の)中で、選ばれた方がいつ解散するか私以外の方は分からないが、私なら改革プランは示している。政治とカネの問題があって、国民のみなさんに信を問うことを礎として政権運営しないと、どんな政策も前に進まない。私はご理解いただけるのではないかと思っている」と訴えた。

続けて質問者から同様に、早期解散の是非を問われた石破氏は「国民の判断というのは、本当に厳粛に受け止めないといけない。国民のみなさまが判断していただける材料を提供するのは、政府の責任であり新しい総理の責任だ」とした上で、臨時国会が召集されれば予定される代表質問を念頭に「本会議は基本、一方通行で(与野党間の)やりとりはない。本当のやりとりは、予算委員会だと思う」と主張。「(日程が)1日ずつやるかはともかく、国民のみなさまがご判断できる材料を提供するのは、政府与党の責任」と述べ、衆参の予算委員会での与野党論戦がすまないうちは、解散すべきではないとの認識をにじませた。

石破氏はまた「(首相に)なってもいない者がこのことに言及すべきではないが」と断った上で「(衆院を)解散すれば衆院議員がいなくなるということ。それがどういうことか、よく認識した方がいい」と、安易な早期解散論にくぎを刺した。「世界情勢がどうなるかわからない時に、すぐに解散します、という言い方は私はしません。解散していい状況が整っているかということを判断する、ということであり、私は国民に対する、おそれの念は常に持っていたい」と述べ、進次郎氏の早期解散論とは一線を画した。

総裁選序盤は、2人を大きな軸として展開するとみられる中、総裁選後の解散戦略で、違いがにじみ出る形となった。

討論会には高市早苗経済安保相(63)、小林鷹之前経済安保相(49)、林芳正官房長官(63)、上川陽子外相(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)も出席し、論戦を交わした。

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