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中江有里「生きていて本当によかった」 映画「道草キッチン」で26年ぶりに映画主演

日刊スポーツ 2024年9月27日 9時0分

俳優・作家・歌手の中江有里(50)が、映画「道草キッチン」(25年秋公開予定)に主演することが26日、分かった。20年に亡くなった大林宣彦監督が手がけ、天宮良(62)とダブル主演した1998年(平10)「風の歌が聴きたい」以来、26年ぶりの映画主演作となる。

中江は劇中で、都会で小さな喫茶店を営む50歳の桂木立(りつ)を演じる。身寄りがなく、余生を1人で生きていこうと決めていた中、再開発の影響で店は立ち退きを余儀なくされ閉店に追い込まれる。健康上の問題も重なり、将来への不安を抱えぼうぜんとしていたところに、徳島県に住む見覚えのない人からの相続通知が届き、心機一転、訪れたことのない徳島の地へ移住を決める役どころだ。

中江は「前回の映画主演が1998年。あれから26年経ち、再びスクリーンで主演できるとは! 人生、何が起きるかわからないものです」と、驚き交じりの喜びを口にした。演じる立は喫茶店の店主の役どころだが「かつて喫茶店の娘だった私にとって、この映画は人生のアナザーストーリーのようでもあり、不思議な運命を感じます」と、役どころにも縁を感じている。

撮影は徳島県吉野川市・板野町を舞台に、10月4日にクランクインを予定している。中江は、23年7月には腎血管筋脂肪腫が破裂し、緊急手術を受けたことを踏まえ「昨年は急な病で倒れましたが、生きていて本当によかったと思います」と喜びを新たにした。その上で「20代の頃にはなかったシミやシワを勲章に、更年期真っ盛りの身には過酷になりそうな撮影を乗り切りたいです」と抱負を語った。

監督は、08年「能登の花ヨメ」、17年「ママ、ごはんまだ?」、22年「あしやのきゅうしょく」を手がけ、今年も「フィリピンパブ嬢の社会学」が公開された、白羽弥仁監督(60)が務める。脚本は、同監督と12年「1+1=11(イチタスイチハイチイチ)」や16年「無伴奏」を手がけた脚本家の知愛がオリジナルで手がけた。白羽監督は「ごく最近のことです。私は今回の作品のためのロケハンである喫茶店を訪れました。コーヒーを1杯頼み、店内を見回し、ちょっとイメージと違うなとコーヒーを飲み終わって席を立とうとしたその時です。マスターが『もっとゆっくりしていったら』と私に声をかけたのです」と製作の経緯を説明。「これから『人生の道草』を描こうとしているのに、自分がその心を忘れている。ちょっと反省してしまいました。この作品は、齢を重ねることで自分を顧み、他人のことを思う時間を得られた、そんなひとりの女性のお話しです」と説明した。

◆「道草キッチン」 立は突然、吉野川市から相続に関する通知が届き心機一転、訪れたことのない徳島への地へ移住を決めた。初めて訪れる徳島で、さまざまな事情を抱えた地元の人々や、四国の大地で懸命に生きるベトナム人たち、自然豊かな食材で作られるベトナム料理と出会う。これまでの暮らしでは感じることのなかった至福の時間を経て、徐々に自分自身の中にある過去のわだかまりと真摯(しんし)に向き合い、自分の生き方を見つめ直していく。

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