Infoseek 楽天

笑顔なし…石破茂首相が誕生 首相指名選挙で選出 与野党論戦なしの衆院選強行方針に野党猛反発

日刊スポーツ 2024年10月1日 14時14分

自民党の石破茂総裁(67)は1日、衆院本会議で行われた首相指名選挙で第102代首相に指名された。

5度目の挑戦で悲願の自民党総裁の座に就任してから4日。指名された瞬間、石破氏は衆院本会議場の自席で立ち上がり、同僚議員らに4回、頭を下げ謝意を示した。笑顔はなかった。

石破氏はこの後、組閣に着手し、皇居での首相任命式と閣僚認証式をへて、石破内閣を発足させる。閣僚の顔ぶれは総裁就任から2日後の9月29日の段階でほぼ固まるという異例の早さで、あまりの早さゆえに自民党内では「身体検査は大丈夫なのか?」と不安視する声も出ている。今後もし新閣僚に問題が指摘された場合、苦しい対応を迫られることになる。初入閣組が閣僚19人中13人もいるのも、不安材料だ。

異例の早さといえば、石破氏は9月30日、まだ正式に首相に就任していない中で、10月27日投開票の衆院選日程を発表した。全国の選挙管理委員会の準備を理由に挙げたが、総裁選期間中に示していた、衆参予算委員会などでの一定の時間をとった与野党論戦を、「事実上、すっ飛ばす」(野党議員)ことになる。石破氏との論戦を念頭に「がっぷり四つに組む」としていた立憲民主党の野田佳彦代表(67)をはじめ、野党側は「国会軽視だ」と猛烈に反発している。

今回の解散日程の決定過程については、自民党でも「手順を重視してきた石破さんらしくない」などと批判の声が出ており、超早期解散に踏み切るのは、自身にとって「諸刃(もろは)の刃」の判断となる可能性もある。

石破内閣の発足に先立ち、2021年10月4日に第1次内閣が発足した岸田文雄内閣は1日午前、総辞職した。

石破首相のもとで今後、10月4日に衆参両院での所信表明演説、同7日から衆参両院での各党代表質問が行われる予定。本来、予算委員会や党首討論で「がっぷり四つ」の議論を展開させるはずだった石破首相VS野田代表の対決は、とりあえず衆院代表質問で実現することになりそうだ。

現状では10月9日に衆院解散となり、衆院選は10月15日公示、10月27日投開票の日程が見込まれている。【中山知子】

この記事の関連ニュース