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石破茂首相は紙を棒読み…初の所信表明、ヤジの嵐に演説止め軽く野党席をにらむ場面も

日刊スポーツ 2024年10月4日 16時55分

石破茂首相(67)は4日の衆院本会議で、就任後初となる所信表明演説を行った。衆院解散総選挙のタイミングをはじめ、9月の総裁選で主張していた内容からどんどんブレていることもあって、節目節目で野党から激しいヤジが飛び交い、首相が一瞬、演説を止めて軽くにらむような表情を見せる場面もあった。

石破首相は「『すべての人に安心と安全を』。私は、日本国内閣総理大臣として、全身全霊をささげ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります」と述べた上で、冒頭から自民党派閥の裏金事件に触れ「深い反省とともに触れねばなりません」と述べたが、ここから野党の激しいヤジが始まった。

「政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すとともに、これまで以上に、わが国が置かれている状況を国民の皆さまに説明し、納得と共感をいただきながら安全安心で豊かな日本を再構築する。それが政治の責任」とし「そのために、私は『ルールを守る』…」と口にすると、特にヤジが大きくなり「何がルールだ!」などの反発が飛んだ。

石破首相は気にせずに「『日本を守る』『国民を守る』『地方を守る』『若者・女性の機会を守る』。これらの5本の柱で、日本の未来を創り、そして、未来を守ります」と述べると、自民党席から「よし」の声と拍手が広がり、首相は思わず笑顔をみせた。

ただ、次期衆院選では「裏金議員」も原則公認する方針と報じられていることもあってか、裏金事件をめぐり「まずは、問題を指摘された議員1人1人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げます」と述べると「公認するのか?」と問うようなヤジを含め、声量が急上昇。首相は「それぞれの政治家が…国民1人1人と誠実に向き合い」というくだりで一瞬、演説を止め、野党席を軽くにらむような表情を見せた。

その後も、金融所得課税の強化や、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設など、首相就任前の肝いり政策がトーンダウンしこの日も触れられなかったことから「NATOはどこに行ったんだ」「金融所得課税はどうなった!」のヤジが響いた。

元日の地震や、9月の記録的豪雨と自然災害に見舞われている石川県能登地域の復旧・復興に触れた際にも「早くやれ!」「被災地はどうなった」などの指摘が相次いだ。

師と仰ぐ渡辺美智雄氏から受け継いだ「政治家の仕事は勇気と真心をもって真実を語ることだ」という言葉に触れると「語ってないじゃないか!」とのヤジも。国会論戦なしに「ぼろ隠し解散」ともいわれる早期の衆院解散総選挙に踏み切った石破氏は、最初から最後まで、手元の紙をほぼ棒読み状態で、「超守りの所信表明」となった。

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