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空音央監督「言葉にならないです」俳優&映画デビュー栗原颯人、日高由起刀から手紙で感極まった

日刊スポーツ 2024年10月5日 13時51分

空音央監督(33)が5日、東京・新宿ピカデリーで行われた長編劇映画デビュー作「HAPPYEND」公開記念舞台あいさつの檀上で「言葉にならないです」と感極まった。俳優&映画デビューの栗原颯人(24)と日高由起刀(20)からサプライズで手紙を読まれ、2人と仲良し5人組を演じたシナ・ペン(25)林裕太(23)ARAZI(22)からは花束を贈られ、檀上で熱い抱擁を交わした。

「HAPPYEND」は、空監督が16年から構想、脚本開発を進め、7年の年月をかけ、日米のスタッフとともに作り上げた。近未来の日本が舞台で、栗原と日高がそれぞれ演じた、幼なじみの高校3年生ユウタとコウが、仲間との5人組でつるんでいた高校3年時に学校に忍び込み、とんでもないイタズラをする。それに佐野史郎(69)演じる校長が激怒し、四六時中、生徒を監視するAIシステムを導入。そのことで、コウは自らのアイデンティティーについて考え始め、ユウタとの関係がぎくしゃくし始める物語。劇中には在日コリアンのコウ一家をはじめ、海外にルーツを持つ人々、学生が差別的な扱いを受けるシーンも出てくる。

栗原と日高は、オーディションを受けた当初はモデル事務所におり、演技未経験だった。ARAZIはモデル、シナ・ペンは写真家と、仲良し5人組を演じたうち、林を除く4人は演技未経験だった。空監督は5人を選んだ経緯について聞かれ「恥ずかしいけど、一目ぼれ。部屋に入ってきた瞬間、この人しかいないと。演技をチェックしたら、みんなうまかった」と照れ笑いを浮かべた。そして「。奇跡なのは、5人の他人が一緒になって仲良くなるのは、そんなにないなと。撮影前からメッチャ仲良くご飯に行ったり…僕は親の気持ち」と笑顔で振り返った。

栗原と日高は、実際に友人になり、現在は「シェアハウス、してます」(栗原)という。空監督は、濱口竜介監督(45)の「見終えた後もずっと『HAPPYEND』の登場人物たちが自分の中を生きている」との感想コメントを引き合いに「どこかに生きている…と言ってくださったんですけど、本当にいる」と5人のメインキャストを評した。その上で「友達なので。そこまで頑張らなくても友情が映る状態でいてくれた。感謝するしかない。カメラを向けた僕が嫉妬するような青春を生きていた」と絶賛した。

そんな栗原から「実は、音央さんに手紙、レターを書いてきました」と声をかけられると、空監督は一瞬、固まった。「導いてくれてありがとうございます。間違いなく素晴らしい俳優人生のスタートを切れたと思います。僕らは間違いなくビッグになる。出会ってくれてありがとうございます」などと読み上げられると、同監督は「言葉にならないです…本当にありがとう。感動しています。これからも、よろしくね」と感謝した。

空監督は、23年3月に71歳で亡くなった音楽家の坂本龍一さんの次男。23年には坂本さんのコンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto - Opus」を手がけ、坂本さんが13年に最高賞の金獅子賞を争うコンペティション部門の審査員を務めた、ゆかりの世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭(イタリア)でお披露目した。「HAPPYEND」も、同映画祭オリゾンティ部門に出品し、9月2日(日本時間3日)に世界初上映を行った。

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