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【竜王戦】藤井聡太竜王4連覇へ好発進「急所分かりづらく1手1手難しい」神経消耗戦抜け出す

日刊スポーツ 2024年10月6日 18時33分

藤井聡太竜王(名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)が4連覇に好発進した。

将棋の第37期竜王戦7番勝負第1局(東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」)で、タイトル戦初登場の佐々木勇気八段(30)を下した。5日午前9時からの2日制で始まった対局は、角換わりに進行。ジリジリとした神経消耗戦の末に抜け出した藤井が、117手で押し切った。佐々木は初陣を白星で飾れなかった。第2局は19、20日、福井県あわら市「あわら温泉 美松」で行われる。

藤井は盤に向かってじっくり考えていた。「急所が分かりづらく、1手1手難しい将棋だった」。少しでも間違えれば一気に敗着となる。ヒリヒリした局面で、腰を据えて読み、最後は寄せ合いを制した。「充実感のある時間を過ごせました」と満足そうだった。

じっと対局に集中した。前夜祭では初めてのタイトル戦という緊張からか周囲を見回すなど、落ち着きのなかった佐々木に比べ、一点を凝視していた。対局でも、佐々木のおやつやランチのダブルオーダーといった新盤外戦術が目立った。動じることなく、おやつはかわいい系のハロウィーン期間限定品を選び、2日目の昼食の「五目チャーハン」は嫌いなキノコを外してもらうなど、マイペースを貫いていた。

これでタイトル戦の開幕局は9連勝。昨年8月の王座戦でつまずいた後、10月竜王戦、今年1月王将戦、第1局こそ持将棋引き分けとなって次局で先勝した2月棋王戦、4月叡王戦と名人戦、6月棋聖戦、7月王位戦、9月王座戦、そして今回と、確実に白星を先行させている。

先月末には王座初防衛を果たした。年内のタイトル戦は竜王戦だけ。「しっかり準備して臨みたいです」。次局を見据えていた。

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