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庵野秀明監督「宇宙戦艦ヤマト」ベース新作劇場作品制作発表「僕が作ることができるようになった」

日刊スポーツ 2024年10月6日 21時42分

庵野秀明監督(64)が6日、東京・新宿ピカデリーで行われた、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」放送50周年記念上映会で「宇宙戦艦ヤマト」50周年企画を発表した。その中で「平たく言うと、僕が『宇宙戦艦ヤマト』の新作を作ることができるようになった」と「宇宙戦艦ヤマト」をベースとした新作劇場作品の製作を始動すると発表した。25年からのプロダクション開始を目標に、新作劇場作品を鋭意、企画進行中だという。

庵野監督は、代表取締役社長を務める製作会社カラーが、11年11月に亡くなった「宇宙戦艦ヤマト」の西崎義展プロデューサーの養子・西崎彰司氏の会社ボイジャー・ホールディングスから「宇宙戦艦ヤマト」をベースとした新作アニメ映像を製作する権利を付与されたこと説明。さらに「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を持つ東北新社からも、著作権の利用の許諾を得たと明らかにした。

この日は、1974年(昭49)に日本テレビ系で「宇宙戦艦ヤマト」テレビシリーズの題1話「SOS地球!! 甦れ宇宙戦艦ヤマト」が放送された当日。上映会では午後7時30分のテレビ放送開始から、ちょうど50年の同日同時刻に、劇場初公開となる劇場版とは異なるテレビシリーズの総集編が収められた、幻の8ミリフィルム版を上映した。庵野監督は、通の観客に向かって「ここに来る人たちに、最初に伝えたかった」と口にした。そして「1本、作るのに何年かかるんだろうね? 別に公開するリメークシリーズがある。時間がかかる。港に着くまでに沈まないといいけど…結構、残りの人生を費やすことになる。これはやらないと」と意気込みを示した。

庵野監督にとって、この日は、7月31日に左足を複雑骨折して入院すると発表して以来、初の公の場となった。同監督と、12年に「宇宙戦艦ヤマト」の物語を再構築し、最新技術で制作した「宇宙戦艦ヤマト2199」の出渕裕総監督(65)とアニメ・特撮研究家の氷川竜介氏(66)とトークした。

<庵野監督の発表全文>

このたび株式会社カラーは、ボイジャーホールディングス株式会社(代表取締役 西崎彰司)様より、『宇宙戦艦ヤマト』をベースとした新作アニメ映像を製作する権利を付与されるとともに、株式会社東北新社様からは著作権の利用につき許諾も得ました。

日本のアニメ作品として輝かしい歴史を持つ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのさらなる発展に寄与し、多くのファンに楽しんでいただける作品とすべく、2025年からのプロダクション開始を目標に新作劇場作品を現在鋭意企画進行中です。

なお、この新作アニメ映像は、2012年公開の『宇宙戦艦ヤマト2199』から始まり、2024年11月22日に第二章が劇場公開される『ヤマトよ永遠に REBEL3199』に連なるリメイクシリーズとは、異なる航路を進む作品です。現在製作中のリメイクシリーズの航海の安全を陰ながらお祈りしております。

50年前、『宇宙戦艦ヤマト』に出会わなければ、今の自分は無かったと思います。自分がその「ヤマト」に関わる以上、あらゆる「ヤマト」のスタッフ・キャストに感謝と敬意と恩返しを込めて、新旧織り交ぜた面白い作品群を残りの人生を費やして可能な限り作り、『宇宙戦艦ヤマト』を後世に遺していけたら、と思っています。

何卒、よろしくお願いいたします。

株式会社カラー代表取締役 庵野秀明

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