政府は9日の臨時閣議で、衆院の解散を決めた。衆議院は9日午後3時半から始まる衆院本会議で解散される。
本会議では、林芳正官房長官から伝達される紫のふくさに包まれた、天皇陛下の署名、押印(御名御璽=ぎょめいぎょじ)を受けた「解散詔書」を額賀福志郎議長が読み上げ、衆議院を解散を宣言する。その際、場内の議員が「ばんざーい」「ばんざーい」と万歳を叫ぶのが、衆院解散時の恒例の風景となっている。
ただ、過去には、この万歳をめぐり「ハプニング」が起きたことがある。
2014年11月21日の衆院本会議で、当時の伊吹文明議長が解散詔書を読んでいる途中で、自民党の若手議員らが万歳を始めてしまう「フライング」が発生した。伊吹氏はこの時、苦々しい表情で議場の動揺が収まるのを待ち、解散詔書のすべてを読み上げた上で「万歳はここでやってください」と呼びかけ、あらためて万歳が起きる格好になった。
ただ永田町関係者によると、本来はどこのタイミングで万歳を叫ぶかについて、明確なルールはないそうだ。
一方、自民党の小泉進次郎選対委員長(43)はこれまで、この万歳をしていないことで知られる。2014年の解散時には「私は万歳できなかった。万歳することで、余計、国民との心の距離を生むのではないか」と述べ、2017年の解散時にも「慣習だからとか合理的な理由なく、やり続けるのは好きじゃない」と述べていた。コロナ禍だった前回2021年の衆院解散時には「国民のみなさんに大声を出すのをやめましょうと言っているのに、本会議場でなぜ、大声でばんざーいと言っているんですか」と疑問視し、万歳をしていない。
衆院選は15日公示、27日投開票の日程で行われる。