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「侍タイムスリッパー」1館→172館、安田監督「トム・クルーズさん撮って」ハリウッド目指す

日刊スポーツ 2024年10月14日 12時56分

映画「侍タイムスリッパー」(安田淳一監督)の応援感謝! 舞台あいさつが14日、東京・新宿ピカデリーで行われた。8月17日に“インディーズ映画の聖地”こと東京・池袋シネマ・ロサのみの全国1館で公開後、口コミで話題を呼び、9月13日の全国拡大公開後には、公開館数は172館まで拡大。

安田淳一監督(57)は「トム・クルーズさんに、リブートで撮って欲しい。ハリウッドに行きたい!」と、ぶち上げた。風見恭一郎を演じた冨家ノリマサ(62)は、高坂新左衛門を演じた主演の山口馬木也(51)の、国内各映画賞での主演男優賞受賞を期待した。

「侍タイムスリッパー」は、山口演じる会津藩士の武士・高坂新左衛門が、落雷によって時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい「斬られ役」として幕末から140年後の現代を生きていく姿を描いたコメディー映画。京都で米作り農家を営みながら映画製作を続ける、安田監督が脚本、原作、撮影、照明、編集、VFX(視覚効果)整音、タイトルデザイン、タイトルCG製作、現代衣装、車両、製作など1人11役以上を務め、わずか10人足らずのスタッフとともに製作。「自主製作で時代劇を撮る」という無謀な試みに「脚本が面白い!」と、日本の時代劇製作の中心地・東映京都撮影所が特別協力した。

この日は、俳優陣が劇中衣装で登壇。山口は「この扮装(ふんそう)をすると、いろいろなことを思いだしてしまいます」と感慨深げに語った。そして、撮影所にタイムスリップし、空腹だった新左衛門が、現代で初めて食べた塩むすびに感動するシーンを踏まえ「塩むすびの味が、明らかに変わっています」と語った。拡大公開の反響は大きく「家の近所で塩むすびを買ったら、店員さんから『おめでとうございます』と。気づいてくださって」と感激した。

今後の展望を聞かれ、山口は「想像もつかなかった。(自分が)小学校の時に見た、映画鑑賞会で全国の小中学生に見てもらいたいな」と口にした。冨家は「マッキーに主演男優賞を取ってもらいたい。馬木也の現場での居方、姿勢にほれていまして…何とか、賞を…僕には助演男優賞を!」と訴えた。助監督の山本優子を演じた沙倉ゆうの(45)が「日本アカデミー賞で作品賞、取りたいです。みんなで行きましょ」と言えば、安田監督「いけるんちゃいますか! 1館で始まった頃を思い出します。ボンヤリ、こういう風景を思い描いていましたけどスタッフ一同、喜んでおります」と観客に感謝した。

舞台あいさつには、現代パートで心配無用ノ介を演じた錦京太郎役の田村ツトム(50)撮影所所長・井上を演じた井上肇(63)新左衛門の親友・村田左之助役の高寺裕司も登壇した。

◆「侍タイムスリッパー」時は幕末、京の夜。会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)は、密命のターゲットである長州藩士と刃を交えた瞬間、落雷により気を失う。眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。行く先々で騒ぎを起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだと知りがくぜんとなる新左衛門。1度は死を覚悟したものの、やがて「わが身を立てられるのはこれのみ」と、磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくために撮影所の門をたたく。

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