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西田敏行さん音楽も“本業” 阿久悠さん、大滝詠一さんらそうそうたる作家陣に愛された表現力

日刊スポーツ 2024年10月18日 5時30分

俳優の西田敏行(にしだ・としゆき、本名同じ)さんが、亡くなった。17日、都内の自宅で倒れているところが発見された。76歳。福島県出身。

映画「釣りバカ日誌」シリーズなど数多くの作品に出演し、主演ドラマ「池中玄太80キロ」の主題歌「もしもピアノが弾けたなら」で、NHK紅白歌合戦にも出場するなど、マルチに活躍した。近年は体調不良も続いていたが、今月8日には、都内で行われた映画「劇場版ドクターX FINAL」の完成報告会見で元気な姿を見せるなど、突然の訃報に驚きと悲しみが広がっている。

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「普段は俳優を生業(なりわい)にしていますが、歌でも小商いしたことがありまして(笑い)」。西田さんがかつてステージで語った言葉だ。さらに「音楽は、芝居での表現の手段としてとらえてきたつもりです」とも語っている。

とはいえ「もしもピアノが弾けたなら」の作詞家・阿久悠さんを筆頭に、西田さんには大滝詠一さん、小室等、小椋佳、湯川れい子、ミッキー吉野、谷村新司さんら、そうそうたる作家陣が作品を提供している。名優ならではの表現力が、作家陣の創作意欲をかき立てたのだ。

音楽も“本業”だった。NHK紅白歌合戦には白組司会(1回)、歌手(4回)、審査員(2回)、応援(2回)、特別出演(1回)と計10回出演した。これだけ多種な出演は、西田さんだけという。第37回日本レコード大賞の司会を務めたこともあった。

そんな西田さんの歌への思いが変わったのは、ふるさとを襲った東日本大震災(11年)だった。秋元康氏が作詞した「あの街に生まれて」を歌手として21年ぶりの紅白で歌った。「芝居は大がかりになるが、シンガーは身ひとつで被災地に行ける。歌は力を持っている。そういう活動ならやっていきたい」と決意した。「歌手・西田敏行」を誰も忘れはしない。【笹森文彦】

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