画家吉野祥江(53)が、来月1~3日に米国サンディエゴで開催の「アート・サンディエゴ」に出展、来年2月11~18日には東京・玉川高島屋で個展を開催する。
2007年(平19)にゴダイゴのミッキー吉野(72)と結婚。コンサートに作品を提供したり、アルバムジャケットも描いている。
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韓国の弘益大で油絵を学んでいた2005年(平17)に、成績優秀でパリへの留学生に選ばれた。
「留学して絵の勉強をする前に、フランス語の学校に行かなきゃいけなかったので大変でした。パリには1年くらい行ってましたが、留学している時もミッキーとのやりとりはあったんです。卒業後の進路で、またどこかの大学で勉強しようかと考えていたら『もう、行かないでいいじゃないか』と言われました。早くプロとして活動しろと。でも、日本に帰って来るとしても、どうしたらいいかと思っていたら『じゃあ、僕のスタジオ使っていいから、そこで描けば』と。ちょっと巧妙に口説かれてましたね(笑い)」
07年にミッキーと結婚。
「私は油絵で、割りと写実的なタイプ。絵の具が乾くのを待たないと、泥だらけになっちゃうんです。だから、同時進行で何枚かを描いたり、ちょっとお休みして遠くから自分の描いている作品を眺めてる時間とかがあるんです。それで、やる時はガーッとやるタイプで、やらないときはやらないタイプ。展覧会とかで締め切りがあると、ぶっ続けに描いてました。でも、ミッキーと結婚してからは徹夜とかはしないようにしています」
19歳年上の夫との生活。互いに仕事とプライベートのバランスを取るように心がけている。
「2人とも若くはないですからね。リズム正しい生活をして、体を痛めないために午前2時を回ったら帰宅するようにと、自分に言い聞かせています。互い自由なんで、ほっとくとぐちゃぐちゃになっちゃう。だから時間だけは決めようっていう感じで、朝はちゃんと食べて、お昼も食べて、ちゃんとした生活の中でやろうっていうのを心がけています。芸術家同士だと、個展の締め切りとか、レコーディングがなければ自由にできるんですけどね。年を取るとだんだん病気が出てきたりするじゃないですか」
お互いの体をいたわりつつ、芸術家としての生活を高める。とはいえ、遊ぶときは遊ぶ。
「でも、夕べは午前3時半まで飲んでいました(笑い)。なんか、ミッキーが夜中まで演奏してるっていうから行ってみたら、すごいメンバーだった。斉藤和義さんたちと飲みながらジャムセッションしてるの。プライベートで飲んでて、なんとなく始まっちゃったっていう感じ。そういう時はOKなんです」
絵を描く手段が、ペン、筆だけでなく、パソコンなど多様化している。
「油絵を描く人は減っていますね。出身校の弘益大学の入試も、私たちの時はデッサンを鉛筆で描いてたんですけど、今はもうタブレットでOKとかすごく変わっちゃってるんです。でも、それはそれで時代の流れだからいいんじゃないかなと思っています。そんなこと言ったら、レオナルド・ダビンチの時代から見れば、だいぶ変わってるっていうことだし」(続く)
【小谷野俊哉】
◆吉野祥江(よしの・さちえ)1971年(昭46)1月18日、東京・世田谷区生まれ。07年に韓国・弘益大絵画科卒業。同年、ミッキー吉野(72)と結婚。15年モダンアート展優秀賞。23年にアート・エキスポ・ニューヨークでベストブースデザイン賞。同年レッド・ドット・マイアミで最優秀国際出展者。