NHK連続テレビ小説「おむすび」は、橋本環奈演じるヒロイン米田結(よねだ・ゆい)が「平成ギャル」にふんし、ギャル文化と出合い、後に栄養士となり、縁、人、未来を結んでいく様を描く。
そんな結の良きアドバイザーが、祖母の米田佳代。「先人たちの知恵」を結に授け、成長を見守り、導いていく。
祖母佳代を、温かみをまじえて演じるのは宮崎美子(65)。宮崎は23日、制作のNHK大阪放送局を通じてコメントを寄せた。
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宮崎は出演が決まった際、真っ先に「ああ、いよいよおばあちゃん役が来たのか」と感じたという。収録に入ると、佳代役にもなじみ「『おばあちゃんです』と言うのも、だいぶ慣れてきました」と笑う。
実年齢よりは少し上の設定で、話し方も年齢を想定。とはいえ「今は、70代もまだ若いイメージ。北村有起哉さんが息子なので、私の実年齢よりも少し老けて見えた方がバランスがいいかな? でも、まだ先もあるので、あまりに老けてしまうのもな~とか、今も手探りですね」と言う。
立ち姿は「ちょっとだけ背が縮んでいる感じ」も意識している。「佳代」については「後ろで見守るポジション」ととらえ、自身の夫で結の祖父役の松平健とのコンビネーションにも留意する。
「なんといっても、おじいちゃん、松平健さんがああですから。威厳があるというか、わがまま気ままにやりたいことをドーッとやっていく人なので、手綱を引っ張ってコントロールしつつ、息子夫婦を見守っています」
結の母愛子には麻生久美子がふんしており「ときどき愛子さんが実の娘なんじゃないかと思ってしまうくらい、愛子さんとの距離が近い。仲の良いしゅうとめとお嫁さんで、すごく良い関係だなと思います」とも言う。
愛子も、自身が演じる佳代と同じく「肝っ玉がすわっている」とみる。一方で、北村有起哉が演じる息子は「優しいと言えばいいんですけど、少し気が弱くてクヨクヨしがち」と言い、息子夫婦のコンビネーションも絶妙だととらえる。
佳代は、糸島で育ち、農業に従事してきた。
「自然の恵みをいただき、生きものを育てて、その育てたおいしいものを提供することで、みんなを育てている“育む人”だと」
押し出されていなくとも、しっかりと根を張ったような強さがある。
食への思いも「やっぱり、おむすびがキーになる。大事なところでたびたび登場するので、終わるまでにおむすびを何個握るのかな、と。きっとすごい数になるんじゃ(笑い)」。
かつては、ドラマの中でも「素手でおむすびを握って食べるシーンがよくありました」と振り返るが、ではほぼない。「私自身も握るとしたら、ラップを使います。だから、久しぶりに素手でおむすびを握るシーンはうれしかった」とも。
「糸島野菜」や「料理」は、実際に糸島から食材を運んでおり「本当においしい」と笑い「食卓のシーンはすごく幸せ」と、心も豊かになるという。
糸島ロケでは、農家の指導も受け、「帰るときにキャベツの苗を3つ持たせてくれた」そう。宮崎は実際「2年前から、自分でも菜園を借りているので、そこにいただいた苗を植えておいたら、立派なキャベツが。現場に持って行き、お料理して使っていただいたものが、ドラマにも出ております」と明かした。
評判は上々。「甘くて、シャキシャキしておいしい」と言ってくれたそうで、「生産者としては消費者が『おいしい』と言ってくださるのが、一番うれしいんだなと実感しました」と話した。
視聴者へのメッセージには「(おむすびは)ぬくもりの伝わる、あったかい食べ物だと思います。いざという時に、一番頼りになる食べ物のイメージなので、このドラマがそんなふうになれたらいいな、と。どこか懐かしく、あったかく、元気になるドラマです」と呼びかけていた。