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小泉進次郎氏が試練の初陣 選対委員長で連日全国行脚も自民党は大逆風、結果次第で責任論も?

日刊スポーツ 2024年10月25日 12時45分

27日の衆院選投開票を前に、自民党の小泉進次郎氏(43)が選対委員長としての「初陣」に臨んでいる。派閥裏金事件だけでなく、その問題で非公認とした候補に活動費2000万円を支給していたことが新たに発覚し、党への批判はやまない。各社情勢調査では自民、公明両党の与党で過半数の233議席を割り込む可能性を指摘するものもあり、進次郎氏は選挙対策の責任者として厳しい現実を突きつけられている。

9月の自民党総裁選で石破茂首相(党総裁)に敗れ、石破執行部と距離を置く総裁候補もいた中、執行部の1人として石破首相を支える選択をした。ただ、衆院選の結果次第では責任が問われる局面も予想され、試練の初陣となっている。

進次郎氏は2009年の初当選以来、選挙となれば全国から応援弁士の依頼が相次ぐ。自身の地元での選挙活動より応援優先で、今回、公示後地元に立ち寄ったのはこれまで1日だけ。1日に7選挙区を回った日もあり、肩書とともに「選挙の顔」を担う。SNSには、応援に訪れた地元の銘菓やグルメを食べる様子の動画を連続投稿し、有権者との近さもアピールする。

派閥裏金事件を受け、旧安倍派幹部らを非公認とした判断や、比例単独候補の擁立作業などにも携わった。新人候補の応援演説では「今、自民党に向けられている政治とカネに対する厳しい指摘は、候補者にはまったく関係ない。関係あるのは今の自民党の議員だ」と理解を求める。しかし、自民党の終盤情勢の数字は厳しさを増している。報道各社の調査では、自民党が単独で過半数を獲得するのは難しいとの分析や、与党過半巣割れを指摘する調査もあり大逆風の中の応援行脚を余儀なくされている。

実際に選挙を仕切るのは党ナンバー2の幹事長とはいえ、選対委員長の初陣の結果は、その後もついて回る。「資質」に直結するだけでなく、起用した総理総裁の判断の是非も問われるためだ。

進次郎氏の前任の選対委員長で、現在は党組織運動本部長を務める小渕優子氏(50)も昨年10月の執行部人事で抜てきされたが、就任直後の衆参2補選は1勝1敗。「ご祝儀」とはならなかった。その後、自民党は派閥裏金事件で大きな批判を浴びることになり、地方選挙でも負けが込み、今年4月の衆院3補選では島根1区の公認候補が大敗し、2不戦敗を含め全敗。7月の東京都知事選も公認候補を擁立せず、実績を残せないまま交代している。

総裁選で敗れ「次への第1歩」(自民党関係者)となる選対委員長ポストで、全国行脚を続ける進次郎氏。人気者見たさなのか、各地で多くの聴衆が集まるが、その熱気が選挙結果に結びつく保証はない。進次郎氏にとっては、総裁選に続いて「実力」が問われる戦いとなっている。

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