漫画家ちばてつや氏(85)が25日、文化勲章を受章することが決まり、公式ホームページに喜びと感謝をつづった。11月3日、文化の日に皇居で親授式が行われる。以下、ちばてつや氏のコメント全文。
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ここ数年体調をくずし、さらに最近は眼の治療をしたりして、現在連載中の仕事もお休みを頂き、グズグズと日々を送っている最中に受章のお知らせを頂いたので、なんとも申し訳ないやら面映いやらで、本当にびっくりしています。今でこそ世界中の皆さんが、年齢を問わず当たり前のように読んでくれている「漫画」ですが、私の先輩たちから現在に至る全ての漫画家が、子供の読み物と思われていた漫画を「文化」と認識してもらえるまでに育て上げてきました。今回は、その全ての漫画家たちの創作活動に対してご評価をいただいたのだと、とても嬉しく、誇らしく思います。そのような大切な勲章を漫画界を代表してお預かりすることには、大変なプレッシャーを感じていますが、今後日本の漫画が世界の「文化」の一翼となり、さらなる飛躍を遂げる一里塚として、謹んで承ろうと思います。漫画は漫画家だけで作っているのではありません。パートナーである原作者や出版社、編集者の方々。読者の手元に届けてくれる全国の書店さんをはじめ出版業界全ての関係者の皆さんにも、心から感謝を申し上げます。そして漫画は、発表された瞬間から読者の皆さんのものでもあります。漫画がこれからもずっと読者にとって身近で、親しみやすい「文化」として愛され続けて欲しい、と心から願っています。このたびは本当にありがとうございました。