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【竜王戦】藤井聡太竜王が逆転勝ち「つんのめったような攻め」持ち時間削られても圧倒的終盤力

日刊スポーツ 2024年10月26日 19時21分

藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=22)が佐々木勇気八段(30)の挑戦を受ける、将棋の第37期竜王戦7番勝負第3局が25、26の両日、京都市の世界遺産「総本山仁和寺」で行われ、先手の藤井が佐々木を下し、シリーズ対戦戦績を2勝1敗とした。これで仁和寺決戦は4戦4勝。京都府でのタイトル戦は7戦7勝の負けなしとし、竜王4連覇にあと2勝とした。第4局は11月15、16日に大阪府茨木市「おにクル」で行われる。

居飛車党の佐々木がめったに指さない振り飛車、ダイレクト向かい飛車に構えた。意表を付く作戦だった。「予想をしていない戦型になり、ちょっとこちらが攻めの形を作っていくのか分からなかった」。藤井は長考を重ね、持ち時間を削られた。「本譜はつんのめったような攻め方になってしまった。1日目で失敗してしまったかなと思っていた」と反省した。

2日目は、形勢が相手に傾く、苦しい戦いだったが、9筋を攻めた藤井は67手目に角をぶつけて、勝負に出た。逆転のきっかけをつかみ、激しい攻め合いに持ち込んだ。最終盤の93手目に「先手5四角と打ったあたりで、形勢はわからなかったが、攻め合いの形になったので、楽しみもあるのかなと思っていた」。終盤は、圧倒的な終盤力で激しい攻め合いを制した。

世界遺産での対局は相性が抜群だ。仁和寺での竜王戦は、これで4年連続白星。京都府でのタイトル戦は22年竜王戦第4局の福知山市「福知山城天守閣」、全8冠制覇を達成した23年王座戦第4局「ウェスティン都ホテル京都」、今年の王座戦第3局の同ホテルでも勝利している。京都府内のタイトル戦は7戦7勝。都道府県別のタイトル戦でも京都は、7戦7勝のトップの静岡と肩を並べた。

若き第一人者がタイトル戦での強さを改めて見せつけ、「藤井を止めた男」と言われる佐々木を再び、突き放した。

第4局へ向け「第2局、3局とも内容はかなりおされている。第4局は間が空くので、準備をしたい」と意気込んだ。【松浦隆司】

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