水上恒司(25)が27日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた、役所広司(68)の主演映画「八犬伝」(曽利文彦監督)公開記念舞台あいさつで「私事ですが、水上になって初めての作品。本当に感慨深いです」と口にした。水上は、22年8月31日夜に前所属事務所との専属契約を前倒しして終了したと報告。「岡田健史として培った全てを持って、水上恒司の血肉骨に宿らせて生きて参ります。今後は本名である水上恒司として活動してまいります」と報告していた。
「八犬伝」は、1842年(天保13)に完結した、曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」をモチーフにした、山田風太郎の83年の小説「八犬伝 上・下」(角川文庫刊)をVFX駆使して実写映画化。里見家の呪いを解くため、8つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をアクションとVFXで描いた「八犬伝」=虚の世界と、物語を生み出した馬琴の、感動の実話の2つのパートが交錯する。
水上は劇中で、八犬士の1人・犬飼現八を演じた。「汚いの1枠…僕ら3人のおかげで、彼らが輝いた」と渡邊圭祐(30)が演じた犬塚信乃、鈴木仁(25)が演じた犬川荘助、板垣李光人(22)が演じた犬坂毛野の美しさを引き立てたと強調した。
そして「あまり撮らないで欲しいんですけど…八犬士って、あざがあるんですけど、公開2日たって、2年越しに八犬伝仕様のあざがポッと出てきた」と、額を手でこすった。「アクションで、ちょっとやっちゃっただけなんですけど」と照れ笑いを浮かべた。
この日は葛飾北斎役の内野聖陽(56)里見家を恨む八犬士最大の敵・玉梓役の栗山千明(40)も登壇した。
◆「八犬伝」江戸時代の人気作家・滝沢馬琴(役所広司)は、友人の絵師・葛飾北斎(内野聖陽)に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。里見家にかけられた呪いを解くため、8つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。北斎はたちまち夢中になる。そして、続きが気になり、度々訪れては馬琴の創作の刺激となる下絵を描いた。北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける。