将棋のヒューリック杯第95期棋聖戦を制した、藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=22)の就位式が28日、東京・お台場「グランドニッコー東京台場」で行われた。今期は2009年(平21)の第57期王座戦以来、15年ぶりにタイトル戦の舞台に上がってきた山崎隆之八段(43)の挑戦を受けた。
8つのタイトルをすべて保持し、かけ持ちで4連覇を目指した第9期叡王戦は2勝3敗でタイトルを初めて失った。7冠に転落したが、こちらは3連勝のストレートで防衛して、初タイトル獲得となった00年から5連覇。自身初の永世称号となる、「永世棋聖」の資格を獲得した。21歳11カ月での資格獲得は、中原誠十六世名人(77)が71年8月に第18期棋聖戦で5期目の棋聖を獲得して達成した23歳11カ月の最年少記録を、53年ぶりに更新した。
藤井は謝辞で、「今期の棋聖戦は力戦を得意とされている山崎八段との5番勝負となり、序盤から経験のない展開となる将棋が続きました。予想していない手を指されることも多く、将棋の面白さ、奥深さを感じながら対局することができました。難しい局面が多くなりましたが、時間配分を意識しながら、全体を通して集中して指すことができ、意義深いシリーズだったと感じています」と振り返った。
また、「今期の防衛によって、永世棋聖の称号を得ることができました。これまで棋聖戦の対局を通して成長することができたということを感慨深く思うと同時に、これからより一層の研さんを積んでいきたいと思っています」とも述べていた。