芝野虎丸名人(24)に一力遼棋聖(27)が挑戦している、囲碁の第49期名人戦挑戦手合7番勝負第6局が31日、千葉県木更津市の「竜宮城スパホテル三日月」で行われた。30日からの2日制で始まった対局は、31日午後5時41分、236手までで一力が白(後手)番6目半勝ち。対戦成績4勝2敗で名人を初めて獲得した。同時に初めて4冠(名人・棋聖・天元・本因坊)となった。芝野の3年連続4期目の獲得はならなかった。
一力は3年前の名人戦で初めて挑戦者となった。この時は第5局に勝って井山裕太名人(当時)に3勝2敗と、あと1勝まで迫りながら連敗。惜しくも涙をのんだ。
囲碁のタイトル戦7番勝負であった棋聖・名人・本因坊の「大三冠」は過去、趙治勲名誉名人(68)が1983年(昭58)3月18日から同年7月28日までと、96年11月8日から99年7月16日まで、井山王座が13年10月18日から16年11月3日、17年10月18日から18年11月2日、20年11月15日から22年3月18日の3回達成している。本因坊戦は今年から5番勝負となったため一概に「大三冠」とは言い難いが、一力は最後の7番勝負となった昨年、本因坊を獲得している。
棋聖・名人の同時保持者となると趙、井山に、小林光一名誉棋聖(72)が加わる。小林は86年3月14日から10月9日と、88年10月21日から94年3月10日に保持していた。