いよいよ5日(日本時間6日)に迫った米大統領選が、直前の10月30日(日本時間10月31日)まで行われたワールドシリーズと同じ対決構図となっている。大統領選は、民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)と、4年ぶりの返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の大激戦が最終盤まで続いているが、2つのチームの本拠地がある場所は、次期大統領候補2人にゆかりのある地と重なり、ワールドシリーズの「再来」のようにもなっている。
ワールドシリーズは、ロサンゼルスを本拠地とするドジャースが、ニューヨークを本拠とするヤンキースを4勝1敗で下し、4年ぶりの世界一になった。敗れたヤンキースの本拠地ニューヨークには、言わずと知れたトランプ氏の「トランプタワー」があり、トランプ氏もかねてヤンキースファンを公言していた。
一方、カリフォルニア州出身のハリス氏は1日(日本時間2日)、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)を電話で祝福する様子の動画を、自身のX(旧ツイッター)に投稿。チームカラーのドジャースブルーのパンツスーツ姿のハリス氏は「チームとあなたのリーダーシップ、すばらしい勝利を、これ以上、誇らしく思うことはないわ」と語りかけ、ロバーツ監督が「なんてことだ。副大統領!」と応じる様子が交互に映し出された。大領選の活動で世界一の瞬間は見ることができなかったハリス氏は、大のドジャースファンという夫のダグ・エムホフ氏(60)に試合状況を教えてもらい、チームの歓喜を知ったという。ロバーツ監督に「少なくとも西海岸への忠義を残してほしい」と語りかけられたハリス氏は「約束するわ。約束するわ。私はずっとドジャースファンよ」と繰り返した。
一方、トランプ氏は今回の選挙戦で、ヤンキースに関して特に発信はしていない。かつて、チームのカリスマオーナーとして知られたスタインブレナー氏とは親交があり、何かと比較されたトランプ氏は、大統領就任前、ヤンキースのオーナー候補の1人に浮上したこともある。大統領在職中の2020年には、ヤンキースタジアムでの始球式登場プランもあったが、実現しなかった。
両チームのどちらかがワールドシリーズを制覇した年と大統領選が重なったケースは、複数ある。最近では、1988年のドジャース優勝時には共和党のブッシュ(父)氏が大統領に就任し、1996年のヤンキース優勝時には、民主党のビル・クリントン氏が大統領選を制した。
また、歴史上に残る大激戦といわれたブッシュVSゴアの対決の末、共和党のブッシュ(息子)氏が大統領に就任した2000年のワールドシリーズを制したのは、ヤンキース。一方、バイデン大統領が現職トランプ氏を破った前回2020年は、ドジャースが世界一となっており、2000年以降の2ケースでは、ヤンキースVの年は共和党、ドジャースVの年は民主党の勝利となっている。
今年のワールドシリーズはドジャースが世界一に輝いたが、大混戦の大統領選は果たしてどうなるだろうか。