米俳優デンゼル・ワシントン(69)が来日し、4日、都内で開催中の東京国際映画祭で行われた米映画「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」(リドリー・スコット監督、15日公開)来日スペシャルトークに出席した。ワシントンの来日は、13年の米映画「フライト」(ロバート・ゼメキス監督)のプロモーション以来、11年ぶりで「僕も楽しみにして、長く待っておりました」と笑みを浮かべた。
「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」は、今年で37回を迎える東京国際映画祭で初めて、同作品のために初めて設けられた特別枠・センターピース作品として上映される。同作は、00年の米アカデミー賞で作品賞、主演男優賞など部門に輝いた「グラディエーター」の24年ぶりの新作。ニュージーランドの俳優ラッセル・クロウ(60)が演じたマキシマスの息子が、今作で主演のアイルランドの俳優ポール・メスカル(29)が演じるルシアスという設定だ。
ワシントンは、ルシアスを戦いに導く謎の男マクリヌスを演じた。巨匠リドリー・スコット監督(86)とは07年「アメリカン・ギャングスター」でもタッグを組んでいるが「1作目に多数のオスカーを受賞した作品の続編であり、すばらしい脚本、監督と組めるのが魅力だった」と出演の理由を説明した。
この日は、メスカルらが激しいアクションを繰り広げる、ド迫力の海戦シーンの映像が紹介された。ワシントンは「今回の方が、前作より楽だった。客席から大変な思いをしているであろう、ポールを見ていたわけだから」と口にした。その上で「巨匠に完全に身を委ねることができた。からくりを知らずとも、自分の演技に集中すれば良い」と撮影を振り返った。さらに「監督は『70、80%はキャスティングで決まってしまう』と言う。それ(撮影)に向けたツールに備えれば良いという感じ。どのように撮られ、編集される分からない分、自由に演じることができた」と撮影中の心中も語った。
この日は、ファン1名にも質問のチャンスがあり、ワシントン自ら黒いジャケットを着た女性を指名した。24年前の前作から大ファンだという女性が「グラディエーター」4Kデジタルリマスター版を劇場で鑑賞し、感動のあまり飲み物をこぼしたと語ると、満面の笑みを浮かべた。ルッシラ役で前作に引き続き、出演したデンマークの女優コニー・ニールセン(59)、そしてカラカラ帝を演じた米俳優フレッド・ヘッキンジャー(24)も登壇した。
◆「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」 ローマ帝国が栄華を誇った時代--。平穏な暮らしを送っていたルシアスは、将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により愛する妻を殺され、捕虜として拘束されてしまう。すべてを失いアカシウスへの復讐(ふくしゅう)を胸に誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌスに買われローマへと赴くことに。そこで剣闘士・グラディエーターとなった彼は、復讐(ふくしゅう)心を胸に、力のみが物を言うコロセウム(円形闘技場)で待ち受ける戦いへと踏み出していく。