落語家立川吉笑(40)が5日、都内で、初CD「立川吉笑 落語傑作選」(6日発売)の発売記念記者会見を行った。
今年収録した代表作6席を収録。かつて住んでいた東京・高円寺で撮り下ろした写真と本人の演目解説、師匠の立川談笑のエールを掲載したブックレット付きだ。「真打ち昇進が来年6月。自分のことを知ってもらうタイミングで、名刺代わりにと思ったCDです。これまでやってきた14年を詰め込みました」。
ジャケット写真撮影の場所に高円寺を選んだことには「前座の時に住んでいた高円寺で18年5月に骨折した場所で撮影しました。全治2カ月。それまではお酒にのまれる生活をしていたが、あれ以来、飲んでいない。夜にネタを作ったりしたのがプラスになった。自分にとっては思い出深い場所です」。
これまで、他人がやっていないことを意識的にやってきたという。「真打ちになったら、自分だからこそできることを発信したい。お笑いのファンに『古くさいと思っているだろうけど、落語ってこんなに面白いんだ』ということを伝えたい。落語の魅力はネタもそうだけど、人間の魅力が出る。だから落語は何回も聞けるし続いている。そう思う」。
発売日の11月6日は正式入門をした日だ。「運命を感じました」と気を引き締めた。
10年に立川談笑に入門した一番弟子。わずか1年5カ月のスピードで二ツ目に昇進し、22年には落語立川流としては17年ぶりにNHK新人落語大賞を50満点で受賞した“次世代の落語家”のホープだ。古典落語的世界観の中で、現代的なコントやギャグ漫画に近い笑いの感覚を表現する「擬古典<ギコテン>」という手法が得意で来年6月の真打ち昇進が決まっている。