歴史に残る大激戦といわれる2024年の米大統領選は5日夜(日本時間6日朝)から、開票作業が始まった。
民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)と、4年ぶりの返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の戦い。米国では多くのメディアが特別番組として、開票速報を報道している。その1つ、米CNNは、出口調査の結果などを踏まえ、複数の州での「勝利確実」を報じている。
米大統領選は、全米の50州とワシントンに割り当てられた計538人の選挙人のうち、過半数270人を獲得した候補者が勝利となる。
CNNは日本時間の午後2時ごろまでに、トランプ氏が、ケンタッキー州(選挙人8人)、インディアナ州(同11人)、フロリダ州(同30人)、オハイオ州(同17人)などのほか、7つの激戦州の1つ、ノースカロライナ州(同16人)でも勝利する見通しとなったとして、合わせて計230人の選挙人を獲得する見通しになったと、報じた。
一方のハリス氏は、マサチューセッツ州(同11人)、メリーランド州(同10人)のほか、大票田のカリフォルニア州(同54人)やニューヨーク州(同28人)などで、計169人の選挙人を獲得する見通しだと報じている。
トランプ氏が獲得する見通しとされる選挙人の数は、勝利に必要な270人にじわじわ近づいている。
CNNでは、これから結果が判明するほかの激戦州のアリゾナ州やジョージア州、ミシガン州のほか、選挙人の数が19人と多く、トランプ、ハリス両氏陣営が「絶対落とせない」と位置づけてきたペンシルベニア州でも、トランプ氏がリードしていると報じている。
4年前の大統領選で民主党のバイデン大統領に敗北したトランプ氏にとって、今回勝利すれば大統領として「復権」することになる。一方、ハリス氏が当選すれば「ガラスの壁」を破る初の女性の米大統領となり、アジア系でも初となる。 トランプ氏が大統領に返り咲けば、「非トランプ」の間に変わったさまざまな世界情勢にも、大きな影響を与えるとみられている。
4年前の大統領選後には、トランプ氏が敗れたことに怒った支持者が「選挙に不正があった」などとして、米政治の象徴でもある議会議事堂を襲撃する事件が起き、世界に衝撃を与えた。今回も米当局は不測の事態に備え、厳戒態勢で警戒している。