ワハハ本舗のお笑い音楽ユニット、ポカスカジャンのタマ伸也（56）がソロで新曲「つがるのうらら」を発売した。今年4、5月に開催された「弘前さくら祭り」で、満開の桜の下で歌うためのテーマ曲として作った。津軽弁に津軽三味線も交えて、注目を浴びたことからCD化つながった。桜の香りのするオリジナルのシードル「つがるのうらら」も発売された。【小谷野俊哉】
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青森市出身、満を持してのソロメジャーデビューだ。
「CD自体はワハハ本舗のレーベルで定期的に発売していたんですけど、老舗のテイチクレコードさんからですからね。曲のPRのためにラジオに出演した時に『演歌歌手タマ伸也』って紹介されたんですけど、ビックリしました」
コミックソングのイメージが強いが、元々は本格派志向。
「そもそもポカスカジャン始める前に、ミュージシャンになりたくて上京してきたんです。それを挫折してポカスカジャンを始めるんですけども、楽器を持ったコミックバンドの中でギターで音楽ネタ。お笑いとはいえ音楽やってるから1人で歌うってなっても、そんなに抵抗感はもうないですね。あと、年も年なんで。56歳になりました。若い時は、俺たちお笑いだからみたいな。そういう気負いはあったんですけども、もうこの年になると楽しんでいただけるんだったら、自分のできることでっていう気持ちになりました」
18歳から東京で売れないバンドマンをやっていた。
「うちの相方の大久保ノブオ（57）がワハハ本舗を見て入ろうとした時に『誰か一人、連れて来い』って言われた。俺は『ギターを弾くやついないから手伝ってくれ』って言われて、要はだまされて入った。社長（演出家喰始氏＝76）が3人組のコミックバンドを作るから誰か1人連れてこいということでね。大久保は大久保で、俺には『ギター弾く手伝いで参加してくれないか』とちっちゃなうそをついてるんですけどね。僕は手伝いだと思ってやったら、入ったらどうみたいな話になっていた」
コミックバンドの知識は皆無だった。
「そもそもコミックバンドが何なのかも、よく分からなかった。それで、うちの社長からスパイク・ジョーンズだとか、昔のアメリカでクレイジー・キャッツの元になったようなやつからレコードから聞かされたりした。ボーイズバラエティー協会の女性の歌を見に行ったりとか一から勉強させられました」
1996年（平8）に3人組のポカスカジャン結成。19年（令元）に大久保との2人組になった。
「なんだか分からないままに結成。入ったばっかりでだまされたのが分かって、やめるって言ったりとかありました。2人組になったのは、見ていただいてる方にその方がスッキリしていいと。クロストークがのごちゃごちゃがなくなったみたいですね。ただやめたやつが絵描き歌、歌ったり、モノマネも一番できたんで、要はメインボーカルがやめるっていう。バックが2人残るっていうそのパターンですね（笑い）」
（続く）
◆タマ伸也（しんや）1968年（昭43）9月18日生まれ、青森市出身。96年（平8）にワハハ本舗に入団して、大久保ノブオ（57）、中山省吾（53）とポカスカジャン結成。19年に中山が脱退。担当はギター＆ボーカル。