三重県志摩市の高級子ブランド魚「あのりふぐ」をPRする、「志摩だけで食べられる天然とらふぐ『あのりふぐ』紹介イベント」が11日、東京・日本橋室町にある同県アンテナショップ「三重テラス」で初めて開催された。
現地から水揚げされた16匹の天然トラフグが「てっさ」「焼きふぐ」「唐揚げ」「ふぐ汁」となって振る舞われた。特に弾力のあるてっさ、焼きふぐは好評だった。
このフグは、三重・熊野灘から静岡・遠州灘(伊勢湾を含む)にかけて漁獲された700グラム以上の天然トラフグ。黒潮にもまれて尾が太いのが特徴だ。志摩市在住のふぐ漁師23人が、伊勢湾をまたがる愛知県の漁師と協同で連携して漁場やはえ縄を入れる順番を決めるなど、資源を管理する方式を取っている。鮮度を保つため、生きたまま船上のいけすで、1キロいくらで値段をつけて取り引きして入札される。
貴重な水産資源を守るために地元人達がお金を出し合い、1986年(昭61)から稚魚4万匹を放流。翌87年には中間育成した稚魚10匹匹を放流した。以来、県の水産試験場で孵化(ふか)、育成した稚魚を毎年放流している。03年8月には「あのりふぐ協議会」も発足させた。水産業の関係者だけではなく、観光、飲食に携わる人たちも含めて、地元のブランド魚として売り出してた。
真珠で有名な英虞(あご)湾、賢島などがある志摩市内の29の飲食店やホテルなどで、このトラフグは来年3月まで提供の予定。橋爪政吉市長は、「地元の漁師が厳しい漁獲制限、資源の管理をして、いかにおいしく届けられるか考え抜いて提供している、志摩へ来ないと食べられない商品。ぜひ、志摩市を訪れてそんな思いを体感して食べてもらいたい」と宣伝していた。