将棋の「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」を制した、藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)の就位式が12日、東京都千代田区の「イイノホール」で行われた。今期はこのタイトル戦に初挑戦した渡辺明九段(40)を4勝1敗で下して5連覇を達成するとともに、「永世王位」の称号を獲得した。
今回は囲碁の井山裕太王座(碁聖・十段=35)が祝福に駆けつけた。花束贈呈のシーンでは、藤井の7冠と合わせ、将棋と囲碁で豪華「10冠」のツーショットとなった。井山は囲碁界の7大タイトル(棋聖・名人・王座・天元・本因坊・碁聖・十段)全制覇を2回達成している。永世称号も獲得順に「永世本因坊」「名誉碁聖」「名誉棋聖」「名誉天元」と得ている。
これまで多かった祝辞をいただく立場から、井山は述べる立場となった。いささか緊張気味に話し始めた。藤井が四段時代、雑誌の企画で対談したのが初めての出会いだったという。
「質問に対して、しっかりと物事を考えてお話しされている姿が印象的です。私は深く物事を考えずにベラベラとしゃべってしまうところがあるので、見習っていきたいと思っております。四段時代から将来を嘱望されていたと思いますが、周囲の想像以上の結果を残し続けてこられている本当にすごい方だと思います。今や、対戦相手のほとんどがトップ棋士であるにもかかわらず、高い勝率を維持されている。驚異的なことだと思っております。藤井王位の将棋を続けていかられことを祈念しております」と祝辞を述べていた。