国民民主党の榛葉賀津也幹事長は15日の定例会見で、同党が衆院選で訴えた肝いり政策「年収103万円の壁」引き上げに、あらためて強い意欲を示した。その際、党の立場と、昭和歌謡を歌い異色の歌手として注目を浴びているタブレット純(50)を重ねるように言及するひと幕があった。
この日の会見では、衆院選で大躍進するきっかけになった「103万円の壁」引き上げが実現した場合、国や地方で7兆円あまりの減収になるとして政府内に慎重な声があることや、全国知事会からも反対の声が出ていることに話題が及んだ。
榛葉氏は「我々は(政府与党などと)敵対しているのではない。国民は手取りがなくて苦しんでいる」と訴え「今回の選挙は、これまでは選挙に行っていなかった10代、20代の若者や、中小企業の経営者のみなさんが『なんとか壁を突破してくれ』と(投票した)」と口にした。「今回の選挙が画期的と思うのは、相手を批判せず、地味かも知れないが政策を愚直に訴えて、政策で投票行動が変わったことだ。これは久しぶりじゃないですか」と、「103万円の壁」見直しの訴えが、有権者に受け入れられたことを強調。「ここで国民の期待を裏切れば、国民は国民民主党ではなく日本の政治にがっかりする。ともに国民生活を向上させたい。どこで着地点を見いだすか、(交渉者には)当たり前の協議をやっていただきたい」と、与党側と国民民主党の交渉進展への期待を示した。
榛葉氏はその上で「まあね、我々もずっと『タブレット純』だったんですよ。全然売れずに…」と、突然、タブレット純の名前に言及した。タブレット純は、折からの昭和歌謡ブームの中、注目を集めている歌手だが、榛葉氏は「タブレット純の支援者は、タブレット純には売れてほしくないんだから。タブレット純も『人気が出ないでいい』と。それが一気にここまで来た」と、立場を重ね合わせるように言及。「だから(国民民主党も)しっかり頑張りたい」と語り、会見を締めくくった。
記者の間から「タブレット純」に反応が起きると、榛葉氏は「タブレット純、好きなんですよ。昭和歌謡、いいね」と告白。「(タブレット純の)ファンは人気が出てほしくないと思っているが、国民民主党のファンは、我々に人気が出てほしいと思っている。だから頑張りたいと思います」と、あらためて口にした。