藤沢里菜女流本因坊(女流名人・扇興杯=26)に牛栄子四段(25)が挑戦する、囲碁の第43期女流本因坊戦挑戦手合5番勝負第5局が15日、東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた。対局は午後5時55分、222手までで白(後手)番の藤沢が中押し勝ち。対戦成績3勝2敗で防衛し、5連覇を達成した。これにより、藤沢は「名誉女流本因坊」の称号を名乗る資格を得た。この資格は謝依旻(しぇい・いみん)七段(34)に続き2人目。藤沢は名誉女流立葵杯、名誉女流名人に続き3つ目の名誉称号を獲得した。また、女流本因坊8期獲得は、謝と並んで最多タイ記録となった。
藤沢は防衛にも淡々としていた。「打ったことのない局面になって1手1手判断が難しかった。あまり自信はありませんでした。細かい勝負になりそうで、もしかしたら、負けもあったかもしれません」と対局を振り返った。
今シリーズ、連勝の後に連敗。悪い流れで最終第5局を迎えた。「3局目の終盤に反省しなければいけない手を打った。そこを気を付けて4局目に臨んだんですけど、同じような見落としをしてしまい、全体的に見落としが多かったのんが反省点。連敗してから気持ちを切り替えて第5局に向けて準備できたので、それはよかった」と言う。
女流本因坊は2014年(平26)の第33期で初めて獲得した。その後、16、18年と獲得しては防衛に失敗していた。20年に奪取すると、21年から連続防衛が続いている。「最初は取ったり取られたり。連覇できてうれしく思っています」と締めくくった。