元テレビ朝日社員の玉川徹氏は19日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、17日に投開票された出直し兵庫県知事選で前知事の斎藤元彦氏(47)が再選されたことをめぐり、今後の兵庫県政のあり方についてコメントした。
斎藤氏は劣勢が指摘されたが、当初先行が伝えられた稲村和美・前尼崎市長を終盤で大逆転し、当選を果たした。政党の支援がなかった斎藤氏の陣営はSNSを駆使した選挙戦略を展開。SNSを見て、街頭演説に訪れる有権者が激増する傾向がみられ、斎藤氏自身も、18日の報道陣の取材に「SNSは1つの大きなポイントだった」と選挙戦を振り返っている。
番組では、斎藤氏に投票した有権者が「投票でいちばん重視したこと」として、斎藤氏の政策や主張を挙げた人の割合が、告発文書問題を大きく上回ったという内容も伝えた。
玉川氏は「いろんな思いを持ちながらの投票。いろいろな考え方だと思う」と理解を示した上で「ただ、今回の選挙結果で斎藤さんが再選されたからといって、例えば公益通報の問題が消えてしまうわけではないと思っている。公益通報者を守る法の趣旨を外して調査をしてしまった、いわゆる公益通報者探しをした部分や、これからも明らかになってくる部分だと思うけれど、力をもってそこをねじ伏せたのではないかという疑惑がある。そういう風な部分は、ちゃんと(調査を)やっていかないといけない」と述べた。
さらに「これをおざなりにしてしまうと、公益通報をすること自体が、はばかられるようなことになるし、それを選挙結果が後押しをすることになっては、ぼくは、いけないと思う」と指摘。「当選したといっても(これまで斎藤氏に指摘された疑惑について)事実がどうだったのか。パワハラ(疑惑)の方も、それも事実がどうだったのかというところを、きっちり調べあげるということが、議会に課せられた使命だと思う。不信任を出したということをもって終わりにせず、ちゃんと追及してほしい」と議会側にも求めた。
番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一も「パワハラはまだ(真実か)認められていないし、弁護士によっては、告発者を探したという行為は違法という指摘もある。そこは、当選とは別だと思う」と述べた。
斎藤氏のパワハラ疑惑などを調査する兵庫県議会の百条委員会は、知事選が終わったことを受けて、11月25日に開かれ、斎藤氏に対する3度目の証人尋問が行われる。