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ノーベル化学賞のデミス・ハサビス氏が井山裕太王座と対局 囲碁プログラム「アルファ碁」開発者

日刊スポーツ 2024年11月21日 18時7分

タンパク質の構造を予測するAI(人工知能)「アルファフォールド」を開発し、今年のノーベル化学賞を授賞した英グーグルディープマインド社のデミス・ハサビス氏が21日、東京・市ケ谷「日本棋院」で井山裕太王座と記念対局を行った。ハサビス氏は、自身が創設したディープマインド社でコンピューター囲碁プログラム「AlphaGo(アルファ碁)」の開発者でもある。2016年(平28)にアルファ碁は、当時世界最強と言われた韓国のイ・セドル九段との5番勝負で4勝1敗として、囲碁界に大きな衝撃を与えたことでも知られている。

今回、「アルファ碁から広がる囲碁とAI(人工知能)の可能性」と題して、日本棋院が来日イベントを企画した。盤を挟んだ井山王座が、「30手ほど打ったが、実力に驚いています。アルファ碁の出現は衝撃的で、大きな影響を与えました。人工知能(AI)の発展に囲碁がお役に立てたのなら、これ以上の幸せはない」と話すと、ハサビス氏は笑顔を見せていた。日本棋院からはその実力と囲碁の発展への功績をたたえ、九段の免状を贈呈された。

4歳でチェスをはじめ、ケンブリッジ大在学中に囲碁と出合った。その数学的な美しさに魅了され、囲碁のソフトを大学の学友と手がけた。対局後、「アルファ碁がAIの近代化の第一歩につながった。潜在的な可能性を示したことで、アルファフォールドにつながった」とあいさつした。

その後、一力遼棋聖とAIが今後どうなるかなどについてのスペシャル対談も行った。「向こう10年間、囲碁やほかのゲームだけでなくさまざまな分野で、より早く達成したいことを達成させていく専門知識とスキルを組み合わせていく。AI開発を目指す人たちはコンピューター科学や数学だけではなく、生物、化学、経済学など他領域の専門知識も学んでいく必要がある」とした。

対談の後、一力棋聖から扇子、日本棋院から碁盤も贈呈され、終始笑顔を見せていた。

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