藤井聡太王将(竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖=22)への挑戦権を争う、将棋のALSOK杯第74期王将戦挑戦者決定リーグプレーオフ、永瀬拓矢九段(32)対西田拓也五段(33)戦が25日午前、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。先手後手を決める振り駒は、と金が3枚出て、西田が先手。角道を開けて三間飛車を採用し、後手の永瀬は持久戦模様の出だしで「タクヤ」対決はスタートした。
7人総当たりによるリーグ戦は、永瀬と西田がともに5勝1敗の同星で並んだ。プレーオフは第70期の永瀬対豊島将之九段以来、4期ぶりとなる。この時は永瀬が勝って渡辺明王将(当時)との7番勝負に挑戦したが、2勝4敗で敗退した。永瀬はその時以来の挑戦権獲得を狙う。
タイトル戦初挑戦を目指す西田は今期1次予選、2次予選を突破。勢いそのままに快進撃を続け、永瀬と並び成績最上位者となった。今年2月の朝日杯準決勝でも永瀬とぶつかり、大激戦の末に敗れたが、王将リーグでは勝っている。棋聖戦でも1次予選から勝ち上がり、2予決勝でタイトル獲得経験者の斎藤慎太郎八段、決勝トーナメント1回戦で現在竜王戦に挑戦している佐々木勇気八段をそれぞれ下して、ベスト8入りした。準々決勝では名人獲得経験者の佐藤天彦九段に敗れたが、その実力はもっと評価されてもいい。
持ち時間は各4時間。昼食休憩を挟んで、25日夜には挑戦者が決まる見込み。