兵庫県の斎藤元彦知事(47)は25日、東京都内で開かれた全国知事会議に出席後、報道陣のぶら下がり取材に応じ、今月17日に投開票された知事選の広報やSNS戦略をめぐり、公職選挙法に抵触する疑惑が出ていることについて、明確に否定した。その上で「県民のみなさまにご心配をおかけしているということは申し訳ないと思う」と口にした。
斎藤氏は約15分の取材対応の中で、「いずれにしましても私の代理人の方で対応させていただいている」「いずれにしても公職選挙法には抵触していないと認識している」との主張を繰り返した。
斎藤知事のパワハラ疑惑などが記された告発文書について調査している兵庫県議会の百条委員会の中で、今回のことも説明するのか、と問われると「今後につきましては、代理人弁護士と相談しながら対応します」と述べるにとどめた。
また、記者会見を開いて自身の口で説明するのはいつになるのかと問われると「今、代理人が確認している。相談しながら対応していきたい」と述べた。
今回の疑惑は、知事選での広報やSNS戦略を手掛けたとする兵庫県内のPR会社の経営者が、20日、インターネットの投稿プラットフォーム「note」に記事を投稿したことで浮上。経営者は、斎藤氏の陣営で「広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」と記し、プロフィル写真の撮影の様子や、X(旧ツイッター)の公式応援アカウントの立ち上げや運用などを手掛けたこと、キャッチコピーを「躍動する兵庫」から「兵庫の躍動を止めない!」と提案したことなどを詳細に記載。「ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました」(現在は削除)とし、広報やSNS戦略を手掛けたのは自分たちだとアピールする内容も記された。
公職選挙法は、選挙活動で報酬を支払える対象を、事務員や車上運動員、手話通訳者などに限定。総務省は一般論として「業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬支払いは買収となるおそれが高いと考えられます」としている。