難病を患った家族の介護経験があるエッセイスト犬山紙子さん(42)が26日までにX(旧ツイッター)を更新。兵庫県姫路市で、寝たきりで気道確保のためたん吸引が必要な当時8歳女児を自宅に放置して死亡させたとして、母親が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された事件について思いをつづった。
犬山さんは「私は介護中、母の痰の吸引をずっとやってきていた。もちろん夜中も。ヘルパーさんがきてくれるようになるまでは、2時間に一度起きなくちゃいけなくて、細切れ睡眠しかできないから、母ことは大好きなのに本当に追い詰められた。その後ヘルパーさんが来なかったらと思うと無理だったと思う」と、家族を夜通し介護した経験を振り返り、「でも一番怖いのは、無理でも無理だって言えないこと。無理でも、無理だと思ってはいけないという思い込み、誰に頼っていいかもわからない」と、疲弊しきっていても第三者に助けを求めることが難しい家族の実情を吐露。「あの時姉が動いてくれなかったらと思うと怖い。ヘルパーさんは命の恩人とよく言うけど、これは大袈裟でもなんでもなく、本当に命の恩人なんです」とつづった。
そうした経験から、姫路市の事件に言及。「あの事件については詳しいことがわからない」とした上で、「でももし頼る人がいなかったのなら、彼女の家庭にリーチできていなかった社会の責任を考える必要がある。子どもが亡くなっている」と問題提起した。