国民民主党の玉木雄一郎代表は26日の定例会見で、さきの衆院選で訴えた「103万円の壁」引き上げに関して、民放番組出演の際に「総務省から全国知事会や各自治体の首長さんに対して工作をやっている」と発言したことに、全国知事会側が猛反発していることに対し、「『工作』という言葉がご不快な思いを抱かせたとしたら、おわび申し上げたい」と陳謝した。
玉木氏は11月13日の民放番組出演の際、「103万円の壁」引き上げに反対の声があることをめぐり「今、総務省から全国知事会や各自治体の首長さんに対して工作をやっている。『こういう減収があるからやめてくれ』『こういう減収があるからやめてくれ』ということを、村上(誠一郎)総務大臣自身から知事会の会長などに連絡して発言要領まで作っている。そういうことをするのは、いかがなものかと思う」と、総務省側の自治体側への働きかけを「工作」という表現を用いて不快感を示した。
11月25日に開かれた全国知事会議では、玉木氏の「工作」発言に「知事会として厳重に抗議すべき」「言語道断」との発言が知事側から相次いだ。全国知事会会長の宮城県の村井嘉浩知事も「責任を持った発言をしてほしい」と苦言を呈した。村上誠一郎総務相は働きかけを否定している。
玉木氏は、村井知事の憤りや知事会での反発の声について「工作という言葉が知事会のみなさん、特に村井会長にご不快な思いを抱かせたとしたら、おわびを申し上げたい」とした上で「ただ、総務省が首長さんに一定の説明をするのは、通常行われていること。税収がこれだけ減る、という話は当然いっていると思う」と指摘した。
「地方税収も非常に伸びており、借り入れに頼る財政は急速に改善されている。国だけでなく地方にも税収が入ってきている。自治体によってはいいところ、悪いところが混在しているのでマクロな話はしにくいが、地方財政が改善してきているのは事実だ」とあらためて訴えた。
その上で「地方のみなさんのご懸念は分かるし、そういうものを踏まえた上で、地方財政に迷惑をかけるつもりはない。どういう解決策ができるのか(与党との)協議を後押しし見守りたい」と述べた。
「工作」発言を撤回するか、との問いには明確に答えなかった。