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裏金事件捜査のきっかけ告発の上脇教授「間違いなく買収、被買収は成立する」斎藤知事らを告発

日刊スポーツ 2024年12月2日 13時3分

元検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大の上脇博之教授が2日、兵庫県の斎藤元彦知事が再選された知事選でPR会社経営者に違法に報酬を支払ったなどとして、斎藤氏と経営者に対する公選法違反(買収、被買収)容疑の告発状を1日付で兵庫県警と神戸地検に郵便で発送したと明らかにした。郷原、上脇両氏は2日、オンラインで会見した。

告発状によると、PR会社「merchu(メルチュ)」が斎藤氏から戦略的広報業務を受託し、ネットによる選挙運動を含む広報全般の企画・立案を実行。斎藤氏が71万5000円を選挙運動への報酬として支払い、選挙運動員に金銭を供与した、としている。

PR会社は兵庫県西宮市の「merchu」で、女性経営者が11月20日付でインターネットの投稿プラットフォーム「note(ノート)」に記事を公開し、記事で広報全般を任されたとした。

東京地検特捜部による裏金事件捜査へのきっかけとなる刑事告発をした上脇教授は「女性経営者のノートを拝見し、どう考えても、選挙に主体的に、かつ裁量のある戦略的なPR活動を行ったことは明らか」と話した。

斎藤氏の代理人によれば、斎藤氏は9月29日に「meruchu」を訪問。面識のあった女性経営者から説明を受けた。その後、同社に対して依頼した仕事内容は、知事選に向けたデザイン制作として、メインビジュアルの企画・制作、チラシデザイン制作、ポスターデザイン作成、公約スライド制作、選挙公報デザイン制作の5点。この5点に対し、同社から10月31日に71万5000円の請求があり、11月4日に支払ったと説明した。

上脇教授は女性経営の公開したノートの冒頭部分に注目し「冒頭で斎藤氏が会社を訪れ、(女性経営者が)提案し、“広報全般を任せていただくことになりました”と書かれている。どう考えても真実が書かれているノート」とした。

斎藤氏の代理人が会見する前までは「実際に報酬は支払われたのか、約束があったのかは客観的なものが確認できなかった」とし、代理人の説明で支払いが公表されたことで「間違いなく選挙運動への報酬支払いで買収、被買収は成立する」と告発の経緯を説明した。

公選法は有権者や運動員に対し、金銭や物品のほか、財産上の利益、職務を供与することを禁じている。

斎藤氏は11月25日の記者会見で、PR会社に支払った71万5000円は公選法で認められたポスターの制作費などだったと説明。代理人弁護士も会見し、「交流サイト(SNS)戦略や広報全般を任せた事実はない」「SNS運用については、斎藤事務所などが主体的に行っていて、代表はボランティアだった」と述べ、公選法が禁じる運動員買収を否定した。

PR会社の女性経営者はこれまでのところコメントなどは出していない。

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