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【韓国】非常戒厳令の解除要求を国会で可決 尹錫悦大統領の宣布後わずか2時間半…深夜まで混乱

日刊スポーツ 2024年12月4日 1時31分

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日午後10時23分に宣布した非常戒厳令に対し、国会では同日深夜1時1分、解除を要求する「非常戒厳解除要求決議案」が、出席した190議員全員の賛成により可決された。

国会議員300人の過半数の賛成によって可決となり、議席の半数以上を占める最大野党「共に民主党」などが賛成した。大統領は決議に従わない場合、憲法違反となる。

韓国各メディアは大々的に報道。尹錫悦大統領は演説映像を公開し「私は北朝鮮共産勢力の脅威から自由大韓民国を守護し、韓国国民の自由、幸福を略奪する、破廉恥な従北の反国家勢力を一挙に排除し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と宣言。最大野党「共に民主党」が過半数を占める国会を念頭に「国会は犯罪者集団の巣窟になっており、国家の司法・行政システムを麻痺(まひ)させて自由民主主義体制の転覆を企てている」と指摘していた。

一方、「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、自身のユーチューブの生配信を通じ議員を国会に緊急招集。与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表も「国民とともに阻止する」と、戒厳令に反対の立場を示していた。

戒厳令宣布により、国会前には機関銃を装備した戒厳軍が派遣されたが、国会突入を拒む市民らに妨害される場面もあった。その後、軍はガラスを割って国会に入ったが、内部でも野党関係者らがいすでバリケードを作るなどし、本会議場にはたどり着けなかったという。

尹錫悦大統領をめぐっては、北朝鮮兵のロシア派遣など重要な課題が発生した時期にゴルフに興じたことや、夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏(52)に株価操作、賄賂授受、高速道路の建設路線変更など複数の疑惑が浮上し、有名大学の教授が退任を要求するなど、支持率低下が伝えられていた。今回の非常戒厳令宣布による混乱では、与党からも反発を受け、いっそう窮地に追い込まれた、と見る向きもある。

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