将棋の第2回達人戦立川立飛杯準決勝、行方尚史九段(50)対佐藤康光九段(55)戦が4日午後2時45分から東京都立川市の「立川ステージガーデン」で行われた。
終盤にもつれ込た大激戦を先手の行方が制して、初出場での決勝進出を果たした。「途中、優勢を意識しました。そこから佐藤九段の怪力にねじ込まれそうになった。最後で何とか詰みになって、勝ちになったと思った」。対局を終えて放心状態だった。
今年4月1日付で50歳以上に参加資格があるこの公式戦で予選から勝ち上がった行方は、予選決勝で郷田真隆九段(54)、準々決勝で前回優勝の羽生善治九段(54)、準決勝で佐藤と「羽生世代」を撃破。決勝も羽生と同学年の丸山忠久九段(54)との対決になる。「羽生世代の面々とぶつかった勢いで頑張りたい」と気を引き締めていた。
接戦を演じた佐藤は、「行方さんが終局後にボヤいていたが、私の方が100倍ボヤきたいくらい」と会場を笑わせた後、「中盤うまく指されて終始押されている感じだった。全力を出したので仕方がない」と、冷静だった。
この日午後0時30分から行われた準決勝では、丸山が森内俊之九段(54)に勝って、2年連続で決勝に進出している。決勝は4日夕方から開始となる。